logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

オリコンとかCDTVとか。

うわぁひさびさに真面目にチャート考察しちゃったよ。で、したはいいけど、俺はもう数年前からあまりこの手のチャートに意味を感じてません。今週末にイントロクイズの大会がまたある訳ですが、この大会に限らず、イントロの大会って大抵、出題基準が「オリコンチャート○位程度」という風になってます。全国ランキング基準ってもともと万能じゃないと思うんだが、2000年代に入って特にそれが顕著だと思ってます。例えば上のランキングの例で言えば、解釈としては「とりあえず平井堅ELTの新曲が強くて、あとはぶっちゃけ何が何位でもあんまし変わんねー」と言った感じで。
CDレンタル、ダウンロード販売、着うたフル、将来的にはポッドキャストなど、さまざまな曲の聴き方が増えてる中、「CD売上げ」っていう一元的な基準で、曲の人気度の序列をつけるのはますます難しくなってる時代です。「それを言うなら昔だってラジオやテレビで曲聴いてたじゃないか」と言われそうですが、80年代頃なんかはチャート番組隆盛期で、ベストテンの順位が売上げにもろに影響してた時代です。それからそう言った番組がなくなって、「タイアップ」が一つの基準になり始めて、いまやそれすらもなくなった代わりに、音楽メディアそのものが多様化しています。今は着うたフル1つ取っても「元の音源がフルで手に入る」時代ですし。カセットやMDがちゃがちゃやってた頃とは音質もメディアも違う訳で*1。今のリスナーはすでに、150円とかで1曲買って、それが聴ける状態にあれば、わざわざ1000円出して何曲か入ったCDというパッケージを手にする事にこだわらなくなっている*2。それの対応策として、例えばDVDで特典映像つけたり、もう廃れたかと思われたEnhancedCDやCD-EXTRAが復活して、最近特に増えてるように思えるんですが。
過去に知り合いとの会話でこんなことを言いました。「今のチャートはもう序列として見ないで、大体20位くらいまでを「この20曲が今売れてる曲」っていうグループで見るべきで、それに上下の差はあまりつけられないんじゃないか。」3年前なら「10位まで」って言ってたところでしょうが。ただ、ひさびさに週間で爆発的な売上げを記録したMr. Childrenの『四次元』とか、近々チャート登場予定の修二と彰の『青春アミーゴ』とか、今週で言っても平井堅ELTの独走とかがある訳ですから、月間や年間とかの長期的なスパンで見れば、まだある程度は序列としての信憑性があるのかもしれません。しかし週間レベルで見ると、絶対的な売上げの数値が一時期と比べて低くなってるから、どこでどうひっくり返ってもおかしくない。故に「序列としての信憑性が低い」という結論になる訳です。
で、そう言う時代になった今、ランキングにおいて強いのは固定ファンが必ずついている、アイドル・アニソン・声優など、それから「レーベル固定ファン」がついているavexGIZAなど*3。第何次まであったかわからないバンドブームも、90年代の潮流だったプロデューサーブームも、ちょうど世紀の変わり目くらいに終わってしまい、ロックバンドやTKプロダクツがチャートを支配してた時期も過ぎた。B'zやミスチルなど、固定ファン勢力が強いアーティストもまだ残ってはいるものの、一時期と比べたら激減してます。だからこう言ったランキングの潮流はいまや必然なのかもしれません。いや、それでくるりが4位に入るのは嬉しいけどさ、だけど今になってこう言う流れになると、「あいつらはあと3年早かったのかな」と思わざるを得ないバンドがたくさんいる訳で。けどそういうバンドのファンっておおいにして、ランキングの数値なんて気にしてなかった訳で。
にしても今年のオリコン、上半期総合で見ると、9位の浜崎あゆみ『STEP you / is this LOVE?』以外は全て男性アーティストってのが面白いです。だって5年前はJanne Da Arcがこんなに売れるなんて想像もつかなかったよ。曲はいいけどバンドブームに乗り遅れたバンドって認識だったのに。それに比べていきなりチャートで好成績叩き出してるUVERworldは恵まれた時代にデビューしたなぁと。いやどっちも好きなんですけどね。
まぁ何もかも、チャートのチェックをしなくなった人間の言い訳ですよ。TSUTAYA行って「とりあえず上から50曲」とか言う借り方してる人間が言う台詞じゃねぇだろって話です。

*1:ってこれでいうとポッドキャストってこの枠には入らない気がするが。

*2:id:hello-m:20040721参照。

*3:このへんかつてのプロデューサーブームに似てますね。「この人・このレーベルなら信用出来る」っていう商売気質みたいな。