logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

『下妻物語』感想(ネタバレ注意)。

ロスト・イン・トランスレーション』の感想書いた時は、「これ読んでから見に行って」と言う意味でそのまま書いたんですが、今回はネタバレもあるし、あんまし先入観無しで見に行って欲しいので、文字色反転でお送り致します。読みたい人はマウスドラッグで。キーワードリンクサーチエンジンで来てしまった人はごめんなさい。
映像とかカット割りとか、ぶっ飛びすぎ。いくらドタバタコメディだからって、そこまでドタバタにするこたぁねぇだろ、と思ってしまった。しばらくしたらそのドタバタも落ち着いて、ストーリーに入り込めるんだけど、こう言う手法自体がこずるく感じられてしまう。で、原作読んでるからまだ話の流れがわかるけど、さすがにちょっと説明不足じゃないか?原作読んでない人、途中ちょっとついていけなくなってるんじゃないか?といらん心配をしてしまいました。深田恭子の心変わりがちょっと急すぎたり(あの最後のヤンキーっぷりはさすが尼崎出身、くらいはちゃんと言おうよ)、それに伴って展開がちょっとご都合主義的だったりするのは、尺から言って仕方ないところなのかな。軽く人情オチ的なところあったし。
よかったのは、照明の使い方と、8mmフィルムの使い方。ドタバタ過ぎて荒削りに見えてしまう全体の編集の流れとかを無視すれば、映像的には結構キレイなものが出来上がってたと思います。1本の映画として見た時は、「面白かったけど…2回目はビデオでいいかな」と思ってしまう出来。だけど、個々のシーンを思い出すと、笑いどころもあるし、画的に「あ、キレイ」と思える部分もある。特に代官山で2人で歩いてる時に8mmで撮ったシーンは、すごく美しかったと思います。ああ言うのが8mmの質感のいいとこですよ。逆に、これがいずれ普通の画面に戻ってしまうのが残念だなぁ、とちょっと覚悟してたら、すごく突然なカットで戻ってしまって軽くムカついた。
で、個人的に許せなかったのは、イチゴがヤン服からロリ服に着替えて、モデル撮影させられるって言う場面が、ものすごい勢いで省略されてたこと。原作読んで、ここを一番楽しみにしてたのに。このシーンのためにわざわざヤンキー役を土屋アンナにしたんだな、と思ってたのに。土屋アンナの素の笑顔があんまり好きじゃないので、このシーンで使わないんだったら別の女優でもよかったんじゃないかと思ってしまう。いや、土屋アンナのヤンキー演技はハマってたと思いますけどね。よりヤンキーっぽい人を抜擢してたら、ハマり過ぎて逆にそんなに面白くなかったかも。にしても、深田恭子が最後にはヨゴレっぽくなるってのは予告からしてバレバレなんだから、土屋アンナが逆パターン行くってのをもうちょっと映してくれてもよかったのに。
とか言いつつも、わざわざ映画館まで行かないまでも、もう一度見たいとは思います。それはやっぱり映像を楽しみたいって言うのとか、「土屋アンナのロリ服姿、ちゃんと見られなかったからもう一度見たい」とか。ストーリー面から言って、映画が原作を超える事が難しいって言うのは、わりとどんな映画でもそうなんですけど、「あの場面を映像化するとこうなるんだ」って言う面白さはあったから、そう言う意味では楽しめると思います。読みながら、頭の中で描ききれなかった部分まで、ストレートに映ったり。想像とずれたりする部分も含めて、面白かった。見てて決して退屈な映画ではなかったですよ、とフォローしときます。これは本心で。つーか、さすが最近の監督の映画だけあって、細かいとこ凝ってるのはやっぱし嬉しいし。BABY, THE STARS SHINE BRIGHTのオフィスで、従業員がパソコン打ってる手つきがおぼつかないとことか。(そんなとこばっか見てるんですよ、嫌な客ですねホント)

いろいろ批判めいた書き方しちゃいました。とりあえず『ロスト・イン・トランスレーション』を10段階で7前後として、『下妻物語』は6か6.5くらい。「面白かったけど手放しで褒めるのはちょっとなー」って言うレベル。基本的に、自分でお金払って見に行ってる以上、多少なりとも期待して見に行ってる訳ですから、10段階評価で5以下をつけるってことは滅多に無いです。だから上の数字から4くらい引いたのが、普通の映画好きな人の5ツ星評価くらいって考えて下さい。重箱の隅突っつくような見方してると思うので。でも、すげぇどうでもいい映画だったりしたら、ここまで書きはしないですよ。
あ、上の感想読んだ方でレスつけて頂ける方は、基本的にネタバレっぽくない書き方でお願いします。難しいかもしれないけど。ちなみに一緒に見に行った友達は「洋服ばっか見てた」と言う感想をくれました。お前そればっかかよ(いやそれを見るための映画ではあるんだけど)。向こうもなんか書いてると思うのでリンクしときます。

ちなみに小ネタを二つ。劇中のどっかにスピードワゴンの2人が出てるらしいです。全然気づきませんでした。あと、GUITAR FREAKS・drum maniaシリーズやってる人にはおなじみ、Cecilの『Super "shomin" car』が劇中のどっかで使われてます。曲覚えてないので全然気づきませんでした。いずれもスタッフロールには出てたんだけど。今後見に行く人、それぞれどこに出てたか教えて下さい。つーかBABYの店、ちょっと見に行ってみたいけど、さすがに野郎1人では気がひける…(つっても映画の影響でそんな客たまに来てそうだけどな)。

で、予告見ててちょっと気になった映画3本、公式リンク。

それから悔しいからショートショートのリンクも貼ってやるー。って、大阪旅行を予定してる時期と、大阪のショートショート開催時期がちょうど合うな…。来年はなんと愛・地球博でも行われるとか。うわ、行こうかな。NHK技研スーパーハイビジョン*1も展示されるらしいし。て言うか作品応募するか…作れるのか、今の俺に?

*1:7680x4320pxの映像が、22.2chスピーカーシステムと共に600インチスクリーンで!データ量は24Gbps、約18分撮るのに、カメラと一緒に3.5TBのHDD持って行くとか。「圧縮形式はまだ考えてません。とりあえず大きくするのが先決で」と言う説明に圧巻。ある意味バカだろそれ。この前のNHK技研の技研公開では450インチのスクリーンで3分間の映像を見てきました。すごかった。以上書く予定だったNHK技研公開レポ終わり(え?)。