それでいいのですか？

24歳になった。今までで一番焦ってて、一番さりげなくて、一番寂しい誕生日だった。当日に至るまで、俺がより子に大ハマリだと知ってる友人達は、こんな24歳に、「それでいいのですか？」とネタのように言ってきた。
よくない。全然よくない。
音楽は大抵、曲先で聴く方なんだけど、これだけ何十回も同じアルバムを聴いてたりすると、歌詞がすっ…と浸透してくる。今の自分にとって、「まさしく」な歌詞であると言うこともあるし。
体調がボロボロだった1月、忙しかった2月・3月を経て、4月は真っ暗な日々を送っていて、5月にこの誕生日を迎えるのがどうしようもなく不安だった。そして結局、昨日の酒が回って丸1日寝てしまい、24と言う節目だと言うのに、たぶん生まれて初めて、誕生日に家にこもって何もしない、と言うことをした気がする。それ自体よりも、そう言う状況について別段何も思わなくなって、開き直ってしまった自分がいる、と言う方が、よっぽど悲しい。
学生時代は、5月の誕生日はずっと学期末だったから、軽く祝って、あとはそれどころじゃなかった。余裕がある時は食事に出たりもしたけれど。大学時代なんてずっと、期末の提出物やら、卒業制作やら、何かしらの映像編集で徹夜で過ごして、あれ去年どうしたんだっけと思ったら、大学の後輩が日本に来るからって連れてったんだな。だから、何も無い誕生日ってのは初めてだったんだ。
一応は、24年熟成のスコッチを飲んで、「俺がバタバタ焦り続けた24年間、こいつはずっと静かに眠ってこの味になったんだ」とか、ベタなことを思ったくらいで。24年熟成ってなかなか無いんですけどね。バーテンの人が1981年もののウィスキーを探してくれたけど、1981年って言う年は、毎年の誕生日ごとに戻ってこれる。けど、24年って言う数字は今しかない。だから24年ものを飲んだ方がよほど価値があると思った。
もう仕方ない。厄年でも何でもかかって来い。こうなったらとことん開き直ってやるしかない。
…それでいいのですか？