より子「YORICocoon Episode 1」@渋谷duo music exchange。
昼間は友達と遊んでて*1、17:50くらいに渋谷duo music exchangeに到着。リニューアル後のO-Eastは2回（特撮とLia）、O-Westは1回（サボテンウィリー・Lia・organs cafe）と来てて、O-Nest、O-Crestはまだ行ってないものの*2、この併設されたduoは初めて。中に入ると…うわ、結構広い。QUATTROを広くした感じと言うか、新O-Eastの縮小版みたいな。なかなか感じのいい空間*3。しかもスタンディングかと思いきやイスあるじゃん今回。もっと早く来てれば座れたのか。とりあえず物販を買う。滅多に物販とか買わないんだけど、今回は特別。これのために、飲みまで断って、セーブしといたんだから。
で、配布物の中に「お便り募集」と言うのが。お便り？よく見るとステージ脇にラジオのブースっぽいセットが。おーなんかやるのか…でも書く時間ねぇよ！とりあえず今日遊んでる最中にあったあるエピソードを書く。マジで読まれたら恥ずかしいなぁと思いつつ。そして「より子に歌って欲しいカバー曲」…ちょっと考えてから10ccの『I'm Not In Love』をリクエスト。後になってから、Alanis Morisetteの『You Oughta Know』とかそのへんリクエストすればよかった、と思う。どっちにしても歌えたかどうかはよくわからないけど。
アナウンスが流れる。一発でより子の声だとわかる。「携帯電話の電源は必ずお切り下さい。…切りましたか？切りましたかー？楽屋から見てるんだよ、ちゃんと切ってる！？……はい切ったね！オッケー！あとカメラの撮影は禁止です！撮るならうちのマネージャーのあーしゃを撮って下さい！」出ました名物マネージャーあーしゃ。
って、NEWS23の映像、開演前に流してたのかよ…完全にしくじった。椅子と言い、お便りと言い、普段のライブハウスのノリでギリギリに来ないで、もっと早めに来とけばよかった。整理番号もそんなに悪くなかった訳だし*4。
ともあれ、アナウンスが終わり、『忘れられた桜の木』のPVが流れ…白いコート姿のより子登場。バンドセットはあるが、1人ピアノで『introduction』〜『I share all with you』と、『Cocoon』の流れ通りに歌う。続いて『親愛なる絵描きさんへ』、そして『ほんとはね。』。もうこの曲はライブでは聴けないかなぁ、と思ってた。今までの自分をリセットして、みたいなことを語っていたから、インディーズ時代の曲はあまりやらなくなるかな、と思ったけど、改めてこの曲を聴けたことに喜びを覚え…てる矢先になんと続く曲は『No name』2005年バージョンと銘打って、全英語詞！以前、より子をあまり知らない友人に、「いつからより子はあんな攻撃的なスタイルになったんだ」と聞かれた事があったけど、実はこの『No name』の時点でかなりパワフルな楽曲作りをしていたのである。しかし、発表当時と今とでは、歌声への力のこもり方が全然違う。本当に、さまざまな意味で、ふっきれたなぁ、と思った。途中、楽譜をぱらぱらとめくりながら、「今日は、お客さんと一緒に、1ページずつめくりながら、物語をつむいで行きたいと思うんですよ…だからさ、紙がバラバラになってて、次どの曲かわからなくなる事もあるさ」と、いつものより子節も健在。
そして、より子ライブでは定番のカバー曲。以前やったBette Midlerの『The Rose』とかもやるのかな、と思いきや、なんと1曲目は映画『リトル・マーメイド』より『Part of Your World』。中学時代、合唱部でディズニーメドレーをやった自分にしてみれば、改めて歌われると思い出深い曲。そして続いてはなんとギターソロにチャレンジ！しかも選曲はT.M.Revolutionの『Healing My Soul』。「ずーっとギターの練習してましたよ、今度プロジェクトX出てやるってくらいに」その結果は本人曰く、今回のツアーで最大の出来。その後は今日シングルを買ったばかりなのでまだ未聴の『鞄』を披露、舞台袖に引っ込む。
「音屋より子！」大きな声でタイトルコール、そしてジングルと共に、音屋より子Ｔシャツに着替えたより子登場。ここでいよいよあのお便りコーナー…の前に、「さっき、ギターソロがうまく行ったのに興奮して、1曲すっ飛ばしちゃったんですよー。後でやっていいですか？ごめんなさーい」。いろんなネタがありました。「私の研究室に新しく入ってきた後輩は、2浪・2浪・3浪・2浪・1浪！年齢で言えば下から3番目の先輩やってます」とか。読まれたお便りに対して1人1人呼び出して、マイクで掛け合いなど、サービス精神旺盛、って言うより本人が一番楽しんでる。最後に読まれたネタが、「私の父は、より夫と言います！」場内大爆笑。
一通りお便り終わったところで、箱の中から1枚取り出して、歌えそうなカバー曲が書かれていたら歌う、と言うコーナー。このお便りボックスを持ってあーしゃさん登場。「いつもよりメイクに気合が入ってますねー…あたしがテレビとか出る時、ヤツが一番気合入ってるんですよ」といじられる。mu-haのラジオでもいじられまくってるので、ここでのからみは個人的にかなりツボ。まず1枚出してみて…無言で横に置いて次を取り出そうとするより子。場内爆笑。「わかんないんだもん！」Stevie Wonderやら山口百恵やらチャレンジしてみて、結局一通り歌えたのはCyndi Lauperの『Time After Time』、そして椎名林檎『幸福論』。素晴らしい。そしてすっ飛ばしてしまったBritney Spearsの『Everytime』で、音屋より子は締めくくり。ライブが終わって帰宅してから、福岡の後輩に「音屋より子録音しといてー」と頼んでおきました。
先ほどの衣装に戻り、バンドメンバー登場。『それでいいのですか？』『Truth is there』と、サウンドと共にガラリと雰囲気が変わる。『それでいいのですか？』とかはやはり、生で聴くとぐさりぐさりと来る曲だよなぁ…そして、「この中で今日誕生日の人ー。…いない？じゃあここ1週間誕生日だった人！あ、3人、4人。これどうしようかー、他の会場ではステージに上げてとかやってたんだけど、ここギューギューだしねぇ。名前呼んで歌うって事でいいですか？」と、結局4人に対してハッピーバースデーを歌ってから『Happy Birthday To You』。あと1週間ずれてたら俺も手を挙げられたんだけどなぁ*5。そして『イロ』はみんなで最後のリフレイン「You will always stay by my side〜♪」を合唱。しかもこの合唱でより子のボイパと言うレアなものが聴けたり。
いろんな面で、観客と一緒にやりたがってるなぁ、みんなでこのライブを作り上げようとしてるなぁ、と言う姿勢が感じられた。昔のより子に見られなかったパフォーマンスにしてもそうだし。次にツアーがある時は、もっと地方の小さいライブハウスに遠征しようかな、と思わせるくらいだった。なんせ渋谷のギューギューのライブハウスでここまでやるんだからさ。メンバー紹介の時にPAの人まで紹介するんだからさ。
昔の自分と向き合ったと言う『今、あなたを愛すること』、何度もライブでやってるけどいまだに音源未発表の『HIKARI』を歌ってから、締めくくりのMCで「別にこれで終わる訳じゃないけど、ひとまずハッピーエンドを迎えられた気がする」と語り、最後の『Break the Cocoon』へ。サウンドと言い、歌声と言い、過去のより子に全く見られなかった「力」が、ひしひしと伝わってきた。飲まれるくらいのパワー。これが今のより子なんだ、と声高に主張するほどの、表現しきれないほどのパワーだった。
アンコールでは『忘れられた桜の木』、そして「この忘れられた桜の木で、好きだった人がいなくなったのかな、と思わせて、この曲で本当にいなくなってしまうんだ、と、アルバムを作り終えてから、このアルバムはこんな風につながってるんだなぁ、と自分で納得してました」と語る、アルバム最後の曲『あなた』。最後は感動の余韻で締めくくり…と思いきや、ピンポンパンポ〜ン♪「ご来場の皆様、本日はYORICocoon episode 1にお越し頂き、ほんっとーにありがとうございました！」と、素の方のより子の声でアナウンス。たっぷり2時間半に及んだライブは、こうして締めくくられましたとさ。
何度言っても足りないくらい、「力をもらった」ライブだった。16歳で音楽活動を始めてからこのライブに至るまで、活動休止、再開、メジャーデビュー、「。」がなくなるなど、より子と言うアーティストに本当にいろんな変化があって、それらを完全にふりきって、「アーティスト・より子」の姿がようやく結実したのがこのライブだった、と思った。特に本編最後の『Break the Cocoon』は象徴的だったし、初期代表曲である『イロ』のシンガロングなどは、昔の自分からふっきれて、自分のためだけじゃなくて、本当の意味でみんなのために歌ってる、と。ちょうどいろんな事にくたびれきってた自分にとって、楽しみにしていたこのライブ、期待を数倍にして返してきてくれた、と思いました。Episode 2はどんなものになるのか…今から期待です。でもその前に、とりあえずゆっくり休んでね。
…長々と書いた割には、なんか淡々とした文章だなぁ。うーむ。あ、曲順とかは記憶頼りのセットリストに加えて、id:masasa:20050418さんの記述を参考にさせて頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。
