言葉に出来ない。

ねぇ。あんなことがあったら。まだ何も言ってねぇっつの。
今日、郵便物を確認してたら、何故かUSPSからの郵便物が。このところアメリカとのやり取りもろくにしてなくて、来るとしたら中学校と大学のそれぞれの四季報（って表現でいいのかあれ）くらいで、何だろう？と思って開けてみて、中身見て３秒くらい凍りつきました。
４年前にブルックリンで無くしたパスポート。
あの時の俺は、クイーンズの韓国人街を観光していて、その時にジャケットのポケットにパスポートを突っ込んで歩いていて、途中でジャケットを脱いで手に持ちながら歩き始め、その拍子でどこかでパスポートを落としてしまってたんです。翌日のフライトで帰国しなければならないので、大急ぎで韓国総領事館に走って、日本の母親に電話して入国管理局とアメリカ大使館周ってもらって、後日新しいパスポートを発行してもらって事なきを得たんです。
ただ、そのなくしたパスポートは、学生ビザだけ古い方のパスポートに残っていて、これの期限が切れるまでは移せないので、２つまとめて持っていたんです。だから、1995年、中学卒業以来の自分の旅行記録の全てを、一瞬にしてなくしてしまった訳で。パスポートはもう再発行されたから何の問題も無かったけど、それがちょっと悲しくて。
今、このパスポートを俺が手にしたところで、何の意味もありません。ただ、４年半もの間、こいつは一体どこで何をしていたのだろうか。偽造パスポートの材料としてヤミで売られてたりしてた訳でも無さそうだし。送り主はブルックリンの郵便局になっていて、誰がこれを拾って、今になって送る気になったのか、一言お礼を言うことはおろか、問い合わせることすら出来ない。
こいつをなくしてから２年以上、大学を行ったり来たりして、アメリカにある程度いたのに、なんでその間じゃなくて、日本に帰った今になって俺がこれを手にすることになったのか。10年前に記録された出入国記録とか、何度も変わった教育ビザや観光ビザの写真とか…。
2003年は大学を卒業して、どうしていいかわからなかった混沌の年だった。2004年は行き詰りっぱなしだったけど、それなりに世間を見たり社会勉強したり、ふっきれたりする年だった。体調不良で荒れたまま始まった2005年はそろそろ前に動き出すつもりの年でいたけれど、まだ靴下も履いてないのに後ろから背中押されたような気分です。