logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

スーパーテレビ・情報最前線。

今日から22時に枠が移動、第1回の放送は『浜崎あゆみ…光と影〜25歳の絶望と決断』。
ノンフィクション制作に携わったことがある(と、過去形にせざるを得ない)立場から見て、「研究者」であるスタッフ側と、「観察対象」である浜崎あゆみとの乖離、関係、アプローチ、そして「雪解け」に至るまでを描いたと言う点で、これは単に「浜崎あゆみの真実」を描いた作品ではなく、「ドキュメンタリーのあり方の一つ」を伝えた作品であったと言える。「非常にまとまった筋書きの作品だった」と言ってしまうとそれまでだが、被写体や撮影角度が定まっている以上、ある程度の編集や筋書きが入ってしまうことはどうすることも出来ない。番組中で、「浜崎あゆみという商品」と、「人間として生きようとする浜崎あゆみ」の対比を描き、それを本人の苦しみとして伝えていた。だが、この番組自体が商品プロモーションであり、これが浜崎あゆみのイメージ向上につながる訳だ。そう考えると、ここで伝えた「真実」と呼ばれるものが、本当に全て筋書きであった、と言う可能性を否むことは出来ない。別にうがった見方をしようとしているのではなくて、それがメディアが、そしてそこに生きる人間が背負ったかせなのだ。
だが、制作者としての自分は、真実のかけらも見られない作品などありえない、と信じている。自らそれを作る者達でありながら、「人間と言う名の商品」と言う概念を真っ向から否定しにいったスタッフのアプローチは評価に値し、結果的にそれが浜崎とスタッフとの乖離をとくきっかけとなったのだ。批判するとすれば、54分と言う枠は、ついにあらわとなった浜崎あゆみの「真実」を語るには短すぎたのではないか。番組改編期だし、枠移動後の最初の放送だったのだから、90分枠くらい取ってもよかったのではないかと思う。5時間にも及んだというロングインタビューや、福岡でのシーンをもっと見たかった、と言うのが正直なところ。
…ちゃんと録画しとけばよかった。ひねくれた感想しか書けない。素直に視聴者寄りの感想が書けないものか。とりあえず、番組を見逃した人で、何か思うところがあった人は、下のリンク先からの放送内容と現場メモを読んでみて下さい。たぶんそれで俺の言いたいことはわかるはず。