『ビートニク』。

BSフジでやっていた。
生き方を言葉にした人間達を綴った映画に対して、自分が返せる言葉は限られている。故に言葉は紡ぎ出せない。時として、言葉はあまりに無粋である。けど言葉が最大の交流手段であるこのネット・エイジに生きている以上は、言葉が無いということは意見も考えも無いということと同義である。しかしヴィトゲンシュタインが「語り得ぬものについては沈黙しなければならぬ」と言ったように、このようにして語り尽くせぬことについて語ろうとすること自体、あまりにも矛盾に満ちている。ソンタグの「反解釈」について考え、それ自体が反解釈でなくなっていることに気づき、迷走するようなものだ。所詮我々は、ビート達が生き抜いた、形に残らず価値を残したような生き方を、自分達が享受出来るよう形骸化した上で、その残りかすを絞って生きているようなもの。つまりこの映画について語ることはそういうちっぽけでくだらないことなんだろう。
以上、ビート気取りな一人語りでした。