logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

上半期映画勝手にトップ3。

で、音楽より映画の方が目が行ってたんじゃないか、ってくらいこの上半期はいろいろ見たので、勝手に気に入ったのを取り上げてみましょうか。

3位『MILK』
洋画で唯一のランクイン。というか洋画をほとんど見ないので入ったこと事態が意外なんですが。これを3位に入れるために『ハルフウェイ』を次点に回しました。まぁ正直な感想は、「ガス・ヴァン・サントってこんなわかりやすい映画も作れるんだ」ということ。加えて、根底に存在するテーマは決して軽くは無くて、「死の三部作」の頃のガス・ヴァン・サントだったらどっしりと見せていただろうものを、ショーン・ペンのキャラクターで実に軽妙に描いている。『ラスト・デイズ』とかは見た後がかなり絶望的だったんだけど、本作は非常に爽快で、考えさせられるというよりも、「ハーヴィー・ミルクという男はすごかった」という至極単純な感覚で劇場を後にすることになる。そして、それはそれでいいのだと思う。機会があれば見て欲しい。
2位『愛のむきだし
この上半期はこの作品を抜きにしては語れないでしょう。1位じゃないの?と思われると思いますが、あれもう1回見ろって言われると…ねぇ。ただ、DVDで見るよりは、本作に限っては絶対に劇場で見るべき。「劇場で見てこそ」って言われる作品はたくさんあると思うけど、大抵それって臨場感がどうとかそういう話で、「映像体験」として本当に劇場で見ないと感覚が大幅にずれる作品ってかなり少ないと思う。自我や内面との葛藤とかカタルシスだとか、そういうものから4時間に渡って逃れられない、またそのカタルシスを観客と共有するという意味で、劇場で見なければならない、と思わされる。休憩時間の後に再開した時、後半に待ち受ける何かを感じ取ったのか、本当に大したことの無いシーンから始まるのに、すでにすすり泣きが聴こえた時点でびっくりしたもんなぁ。DVD化はまだ遠いどころか、来週アップリンクでモーニングショーをやるらしいので、まだまだネタバレは出来ないけど、とにかく「これから目を背けてはならない」と思わされる場面が大量にありました。具体的には後半であの「兄妹」が取っ組み合いになった後の、満島ひかりのロングカットとか。
1位『ヘブンズ・ドア
え、1位こっちなの?と言われるかもしれませんが。俺のツボに全部ハマる邦画なんですよね。きっとこの手の作風を毛嫌いする人はたくさんいると思うし、そもそもこれはリメイクで、オリジナルのドイツ版を見た人からすればボロクソ言われてるみたいですが、全体を包む希望の薄さ、重さ、暗さ、あとキャスティングで、俺はもう惚れ込んでしまいました。『愛のむきだし』はあ、1位にするにはあまりにもエキセントリックだった。ヒューマンドラマであることには変わらないんだけど、非日常性を日常の中に置いたことと、ギミックはオリジナルにならっているので評価外としても、それを違和感無く演じきった福田麻由子ですかね。設定を成人女性ではなく少女に置き換えたのは、ラブストーリーにしたくなかったから、という判断だったそうですが、正解だと思います。
次点『ハルフウェイ』
いろいろ考えてみた結果、自分でも意外なんですが、取り上げてみようと思いました。というのは、見た当時はかなりけなしてたんですよね、俺。「えー結局何がやりたいの?」みたいな。ただ、しばらく経ってみると、あの質感とか、アドリブまかせの演技とか、先入観無しでぼーっと見たら、意外と微笑ましく見られるんじゃないかなぁと思った。同じ感じでまったりと進行してた『ホノカアボーイ』と比べると、明らかに映像の見せ方が巧かったし、今ふとこうして思い出せるくらい、後を引く感覚がより強い。「ちゃんと見る」気はしないけど、例えばCSでやったら保存しておきたいような映像だと思う。
番外『大丈夫であるように〜Cocco終らない旅』
公開が去年の12月なので一応番外ってことで。ただもう感想書くの疲れてしまった。5本一気に書くの辛いね。過去ログで評価してるので読んで下さい…って投げやりにまとめようとしたけど、過去ログでもネタバレを恐れて大したこと書いてない。しかし実際、あそこに書いたこと以上でも以下でも無い気もするんだよなぁ。

下半期にどれだけ映画を見るかわからないので、ベストライブかなぁ。今のところはBIG BEACH FES.だと思うけど。