logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

RIP。

CNNでは、アポロ・シアターの前で、「有色人種の扉を開いた、政治でも社会運動でも出来ないことを、音楽の力でやってのけた」*1と声高に叫ぶ人間がいた。たしかに、MTV世代においては、彼以前に有色人種のミュージシャンのPVが流れることは少なかった。「白いアメリカを、黒い彼が変えた」と、CNNのVTRは伝える。
だが、忘れていないだろうか。それ以前に、有色で、世界的な影響力を持ったミュージシャンを。チャック・ベリーエディ・コクランの時代は、まだメディアが発達しておらず、有色差別が当たり前だったため、影響力という面では弱かったかもしれない。しかし、ペリー・ゴーディJr.とモータウンの隆盛、そして白黒時代の『American Bandstand』、カラー時代の『Soul Train』によって、テレビの音楽番組の影響力が最高潮に達する中、彼の先駆者は確実にいた*2
ジェームス・ブラウン
JBが亡くなった時、「ジェームス・ブラウンが死ぬってイメージ無いよなぁ、いくつになっても大声でがなりたてながら踊ってそうだよなぁ」という声を聴いて、心の中で頷いた、というようなことを書いた。翻って、今朝、CNNで彼の死を知った時、驚きはあった。しかし、体をあれほどいじって、酷使していたら、いつ死んでもおかしくないぞ、ということはずいぶん前から言われていたはずだ。彼の死後も尚、数々のスキャンダルを根拠に、「あの怪物がとうとう逝った」という表現をする人間も多い。
だが、彼の曲に、少なからず影響を受けなかった人間がいただろうか。彼に直接影響を受けなかったとしても、彼の後に続いたミュージシャンに影響を受けているはずである。もちろん、JBをはじめ、前述の数多くの音楽人の後進でもある訳だが、彼自身は、常人が生涯をかけて及ぼせる影響力を凌駕していた。
Rest in peace, to the most controversial, yet the superior, "King of Pop."

*1:原文:"Michael Jackson made culture accept a person of color way before Tiger Woods, way before Oprah Winfrey, way before Barack Obama"思い出せなかったので「大体こんなことだったよな」的に書きました。

*2:いや、Jackson Fiveもモータウンだったけどね。