logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

『秘密』。

書いた側からHDで見ました。もう9年前の映画なんだね。以下感想。

終始引き込まれていましたが、クライマックスで一気に感情の昂りを感じました。これに至るまでの、「40過ぎのオバサン」と、「過渡期を迎える女子高生」を演じ分ける、広末涼子の巧みさよ!当時19歳にしてこの演技の素養は素晴らしい。「いかにも」なキャスティングで「いかにも」な妻を演じた岸本加代子の演技が、本当にそのまま広末涼子に憑依していたんじゃないかと思わせるくらい。非現実的な設定だからこそ、彼女の演技と、滝田洋二郎の演出が光る。特にギリギリまで行った性描写。あれがあるとないとではリアリティが全然違う。

以下、普段は公開済み作品に関してはネタバレ反転はしないんですが、あまりにも核心に触れる部分なので反転。

ラストシーン、「ずっとお前だったのか!?」は、本当に「ずっとお前だった」のか?否定の素振りは無かったが、積極的な肯定の素振りも無かった。果たしてこのシーンを、そのままに受け取って良いのか?しかし、灯台でわざわざ直子のシーンを挿入したのと、つじつまが合わない。「藻奈美が直子として、藻奈美として生きていた」とも解釈出来ないだろうか。それが最後の「秘密」で、解明されることが無いまま閉幕…というのは、俺の勘ぐり過ぎだろうか。素直に「ずっとお前だった」と受け取るべきなんだろうか。何が真実だったとしても、3人にとってあまりにも、辛い。これを本作品の最大の成功と見る者もいれば、失敗と見るものもいる。「語りえぬものに関しては沈黙しなければならない」というヴィトゲンシュタインの言葉を思い出し、俺はこの評価出来ない部分については評価しない。

8.0。ひさびさに「ガツン」と来ました。文句無しに高くつけます。というか、「見たいけど借りるまででも無かったなー」って思っていた映画が、ことごとく東野圭吾原作でびっくり。今ちょうど「24時間丸ごと東野圭吾原作」なので、眠れないじゃないか!『g@me』とか『変身』とか見たいけど録画する幅が無いよ!とりあえずSDで録画しといて、保存したかったら再放送をHD録画するか。

あーあと蛇足ですが率直に、例の「じゃあ口でしてあげようか?」は、あらすじ的にも当時の広末的にも、大して重要では無いと思うんですが。それ以上に篠原ともえの存在が貴重過ぎる。