logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

Save the…?

一部引用、全文はリンク先にて。まぁすでにさんざんいろんなところで書かれていることなので、ここで取り上げるのも今さら感が強いですが。

 下北沢の駅前で「安心と安全」をテーマに「ここも救急車や消防車が入れるような開発をしないといけません」と再開発の必要を訴えていた石原氏。最初はヤジにも「黙って聞きなさいよ」といなしていたが、聴衆から「住民感情を排除している」などの声を浴びてついにキレた。

 「うるさい、黙ってろ!」と一喝。「(再開発について)いろんな意見を出してもらいたい。それを区長に取り次いでですね、当たり前の手順を踏んで、民主的にやるんだよ! 物事は多数決なんだから!」と怒りまくった。

「慎太郎知事 ヤジにブチッ「うるさい、黙ってろ!」…8日都知事選」(Yahoo!ニュース)

一連のSave the 下北沢運動に関しては、特に活動に参加している訳では無いものの、注視してきています。個人的には昔から「歩く街・下北沢」を見てきているし、駅前に巨大ロータリーも無くて、駅を降りた瞬間から人のぬくもりがある今の街の形態が好きです。だから変わらないで欲しい。だけど、実際に住んでる人のことにとっては、結局それもよそ行きに作られた街である訳で、道路を通したほうが、少なくともある一面においては住民の利便には叶うのは自明な訳です。自分もいくら家が近いとは言っても、下北沢に住んでる訳じゃないので、その立場からのコメントは全く出来ない訳ですが、「再開発推進」が「住民感情の排除」に直結する、というのはいささか短絡的では無いかと思う訳です。この声を挙げた聴衆が実際に、少なくとも5年なり10年なり近くに住んでいる人達なのか、それとも単に外側から「遊び場を荒らされるのが嫌だ」という形で言っている連中なのかは判断しかねますが。
誤解が無いように、もちろんSOSに何らかの立場を取っている人達はこんな両極端では無いけれど、これくらい広い幅の間に入る人達であることはたしかだと思うのです。事実、自分はどちらかというと、「あの街が壊れていくのが悲しい」と物思うだけの外野であって、住民の立場から何かを言われたら反論のしようが無い訳で。ただ、下北沢に限らず、小田急線沿線の再開発を見守り続けてきて、長年工事が続いている割には小田急線の利便性自体はさほど変わったと感じないだけに、「一体何のためにここまで?」としか思えないんですが*1。特に有益に見えない再開発に、無駄では無いにせよ、いたずらに税金を投じ、利権争いをするのは勘弁して欲しい、くらいのことは言う権利はあると思います。
自分の話はともかくニュースの方を見ると、この男が「下北沢再開発」の本質を理解している人間かどうか、というところで見ると、どこからどう見たってそんな訳は無い、と言わざるを得ない。1人の人間がこの首都が抱える問題を全て把握してる必要があるか、そんな能力があるかどうかはともかく、23区の一角の小さな街の再開発だって、立派な都政なんだから。SOSの活動に積極的な人達を見ても、自分から見れば「当たり前の手順を踏んで、民主的に」やっている。ただ、活動があまりにも草の根的で、伝えるのが難しい。だから悩んでいる。それを短絡的に「多数決なんだから」と言い出すのは、「あーやっぱし関心なんてねぇんだろうな」「つーかやっぱし金と利権動かしたいから再開発進めたいだけなんじゃねぇの?」と邪推してしまう。「区長に取り次いで」の時点で、そこからどこまで区政を信用していいかわからないから、活動が起こってる訳であって。そこからして、再開発への賛否を問わず、住民感情を理解していない、という評価しか出来ない。少なくとも、両方の立場に立つ住民達がいる前で、失言かましてしまうのはまずいだろう*2
まぁ、誰が知事になったところで、再開発の功罪に理解を示してくれる人間なんて、いないと思いますけどね。一体誰を守るための都政なんだか。

*1:まぁ、小田急再開発の恩恵が最も低い、クレバスのような地域に住んでるから、余計にそう思うのかもしれませんが。快速急行飛ばされたり。つーか快速急行とか作ったところで、混雑率は全然変わらないし、ただでさえ低いロマンスカーの立場が余計に下がって自分の首絞めてるだけじゃねぇの?とか思ってしまう。

*2:けど自分が現場にいたら、最終的には言い合ってたろうな。そう考えると何も言い訳は出来ない。つーかそこでいざこざを起こしちゃう時点で、双方に対して一つもメリットが無いだろ。そんな冷静な判断が出来る状況では無かっただろうことなんて容易に想像がつくが、それにしてもだよ。