logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

abc〜かく戦えり〜Pt.12

【準々決勝・4セット制タイムレース】

◇3分4セット制のタイムレース。
 各セットトップが勝ち抜け、同最下位が失格。
◇各セットのポイント配分は以下の通り。
 第1セット:正解+1pt/誤答−1pt
 第2セット:正解+1pt/誤答−2pts
 第3セット:正解+2pts/誤答−1pt
 第4セット:正解+2pts/誤答−2pts
 各セットごとにポイントはリセットされず、持ち越しとなる。
◇各セットごとにトップタイ・最下位タイが出た場合は、
 早押しサドンデスで決着(このときのポイントはカウントしない)。

敗者復活を勝ち上がった法政大学の土田征太郎が、復活席に座る。そして、喜多、酒井、古川、峯、阪本、石野、高村、渋沢の順に、席についていく。特快は4人。準決勝の進出人数も4人。特快だけの準決勝が見られるなら最高だと思ったが、5人の強豪を相手にしている以上、そう簡単に事が運ぶ訳が無い。位置的に得点板がよく見えないので、ノートで正誤数をマークしながら、大須賀と共に観戦する。

第1セット、+1/-1。とりあえず全員で古川を抑え込むか、もしくは古川をとっとと抜けさせるか。そんな戦略など関係なく、古川はここで勝っていくだろう。それでも俺は、特快勢の力を信じていた。正解と誤答が繰り返されるが、押しはわりと遅く感じた。誰も無理をして攻めず、とにかくこのセットは様子見と言ったところか。しかし、渋沢と土田が全く動かない。どうしたんだ、と思いながらセット終了。結果は9○0×、2位の峯に6点差をつけて古川が1抜け。誰もこの男を止められないのか。この時点で、峯が3点、喜多・酒井・阪本が2点、あとの4人が全員0点と言うフラットな展開。そして4人で脱落者サドンデス。昨年、第2セットでの脱落者サドンデスで誤答した高村が、『イタリア語ではナターレ、ドイツ語ではワイナハテン/』「クリスマス」で無事正解。続く『本州を縦断する際に必ず通過する県は/』を渋沢が押すが、これを「山口県」と誤答。0○0×で終わり、3人のサドンデスで誤答しての失格と言う、あまりにも酷な結果で終わった。俺は奴に、精一杯の拍手を送った。無念だろうが、限界までやってくれたことを、賞賛したかった。(問題は『青森県山口県とどこ?』と続き、正解は「兵庫県」)

第2セット、+1/-2。ルールが誤答に厳しくなる。さらに指が遅くなる中、コンスタントに全員が正解を重ねつつも、アップダウンをノーミスで勝ち上がった阪本が力を発揮し、6○0×と得点を伸ばす。だが終了間際に、今日は絶好調の喜多がハイペースで6○0×で追いつき、8点で同点サドンデスに突入。特に、『「きっと勝つ」という語呂合わせから、/』「キットカット」は自分が【?】に出した問題だったので強く印象に残った。これがもう基本問題と認識されるんだなぁ…。それはともかく、サドンデスは『腎臓の上にある副腎から分泌され血圧を上げる働きをする/』を阪本が押すが、「インシュリン」と誤答。それは血糖値を下げる方だ。これにより、ガッツポーズと共に喜多が勝ちを決める。最下位を見ると、1○1×でマイナスに沈んでしまった土田が失格。去年の敗者復活で勝ちあがった名大の梶田は、第1セット1○1×、サドンデスで押されてやはり負けている。コース別の激戦を勝ち上がってきた8人に、敗者復活から挑むのがいかに厳しいか、はっきりとわかる結果である。

第3セット、+2/-1。このセットについてはただ、14○2×という、石野の猛攻撃に尽きる。誤答に甘いルールなのだから、攻めることこそ勝利につながるのだが、ここでそれを行ったのは石野しかいなかった。あとの4人は、自分が取れる問題を確実に取っていく。石野の勢いに押されたか、はたまた全員がマイペースでやっているだけか。ただ1人、慎重派で荒れ場に弱い阪本が、前のセットとは打って変わってたった1問しか正解が出せず、静かに消えていった。直前のセットではトップタイだったと言うのに、サドンデスでの誤答が命取りとなってしまった。

第4セット、+2/-2。残る3人は酒井、峯、高村。それぞれ、9○0×の14点、14○4×の13点、9○2×の11点。ここまでフラットに点数を伸ばしてきた3人に、差は無いも同然。ただ、手数では大きく上回っていた峯が、序盤にスタートダッシュを決め、酒井に5点差をつける。一度ペースを掴んだ峯はそれを離さない。2人もラストチャンスとばかりに攻めるが、誤答を重ねどうにも点数が伸ばせない高村に、知識量かペースの問題か、ゆっくりとしか点数が伸ばせない酒井。途中、『アラビア語では「イフタフ・ヤー・シムシム」/』と言う問題を聞いて、「ああこれは峯が答えるだろうな」と思ったら案の定そうなったり、流れが確実に峯に向いていたことを感じた(正解は「開けゴマ」)。序盤についた点差は最後まで引っくり返らず、最後の問題が読まれる時点で3点差。もう形勢が動く事は無いため、計12分間に渡る激闘はスルーをもって静かに幕を閉じた。昨年ここを抜けた酒井は「ペースがつかめなかった」、昨年もこの準々決勝で負けた高村は「せめて去年と同じところまで…そこで満足しちゃったんでしょうね」と語った。3人とも、積極的に勝ちに来ていたようには見えず、ただ自分のプレイスタイルを発揮しようとしていただけに見えた。そんな中、積極的だった峯に、軍配が上がった。ただそれだけのことだろう。2人が弱くて負けたようには、決して思えない。

16th
9th
1st
2nd
13th
3rd
22nd
25th
43rd(R)
横浜国立4年
東北1年
早稲田4年
九州3年
早稲田1年
千葉4年
電気通信4年
法政3年
喜多 一興
酒井 英太
古川 洋平
峯 智
阪本 諭史
石野 将樹
高村 光貴
渋沢 潮
土田 征太郎
2p
(3-1)
2p
(2-0)
9p
(9-0)
3p
(4-1)
2p
(3-0)
0p
(2-2)
0p
(1-1)
0p
(0-0)
0p
(0-0)
8p
(6-0)
4p
(2-0)
WIN
4p
(5-2)
8p
(6-0)
3p
(3-0)
4p
(4-0)
LOSE
-1p
(1-1)
WIN
14p
(5-0)
13p
(5-1)
10p
(1-0)
27p
(14-2)
11p
(4-1)
LOSE
22p
(4-0)
25p
(8-2)
LOSE
WIN
13p
(4-3)
WIN
(9-1)
LOSE
(13-0)
WIN
(9-0)
WIN
(22-6)
LOSE
(9-0)
WIN
(19-4)
LOSE
(13-5)
LOSE
(0-0)
LOSE
(1-1)

【準決勝・通過クイズ】

◇正解+1pt・誤答-1ptの早押しクイズ。
◇+2pts.で通過席へ、通過席で正解すると決勝進出。
  通過者本人の誤答もしくは通過を阻止された場合、0pt.に戻る。
◇-3pts.に達した時点で失格となる。
◇決勝に進出できるのは2名。

特快の観戦席に高村が戻ってきた。しかしまだ2人、あのステージに残っている。それにしても、誰が残ってもおかしくないとは思っていたものの、この4人は全く予想していなかった。特快がここまで意地を見せるとも思っていなかったし、石野が強いとは言え、ここまでで自滅する可能性が高いと考えていた。優勝候補の古川すら、今回は潰されるんじゃないかと思っていた。だが、今ステージに立っているのは、あの4人。これまでの戦いと同様に、誰が勝ってもおかしくない。昨年よりルールがシンプルになり、パワー溢れる戦いと言うよりは、ひたすら緊迫した戦いが予想される。

第1問。『ジェームス・ディーンの主演映画と言えば、「エデンの東」/』「ジャイアンツ!」まだ「理由なき反抗」との2択になりえるにも関わらず、古川が正解。大本命に死角なしとはこのことか。ほどなくして誤答するも、すぐに取り返す。6問終了時で、石野を除く全員が1点。先に通過席に行くのは…『「アブカイク」「ガワール」「カフジ」といえば、どこの国にある油田でしょう?/』「…え?サウジアラビア」読みきりで押した喜多が明らかにカンに見える正解で通過席へ。

ここでの問題は1〜50の中から一つを選ぶ。自分の運命は自分で決めろ、と言うことか。喜多が選んだ問題はしかし、古川に阻止される。古川は数時間前と同じように、「1番」とコール。

『日本の中央競馬で、昨年、メジロラモーヌ以来の/』「スティルインラブ!」

止めることは出来なかった。全く危なげの無い決勝進出。とは言うものの、「ここまで来て当たり前」と言うプレッシャーが、古川にはあったはず。そんな中での勝ち抜けである。誰が文句をつけられようか。

『発表当時は「詩人」と/』「考える人」喜多が動く。『景気が悪いのにも関わらず/』「スタグフレーション」峯も動く。峯はこれで通過席。峯は、悪く言えばメリハリが無く、ポイントも無視して、自分の知識だけを信じて押しに行く。だが、それを出来る勢いもあれば、知識量もある。個人的には、戦い方が読めないと言う意味で、敵に回したら絶対にタチ悪いだろうな、と思う男だ。

しかし、なかなか正解が出せない。峯は通過問題を「13番」「49番」「4番」と、ことごとくそれっぽい数字を指名していく。結局、「9番」の「山本周五郎」を喜多が正解し、峯は通過席を降りた。続く「ノクターン」は調子の出ない石野が正解。続いて、『今年の1月に2年ぶりの調査が行われた、奈良県明日香村にある/』押した喜多は、「キトラ式古墳」と解答。「もう1回」と促されても、なぜか答えを変えない。正解の「キトラ古墳」を聞いて、喜多は自分の過ちを悟った。

そしてこの誤答を機に、喜多が壊れた。

正解と誤答を繰り返す。ずっと余裕を持って戦ってきた喜多が、ここに来てはじめて焦りを見せた。何問押しても、通過席に辿りつけない。そんな喜多を尻目に、『日本のプロ野球チームは12球団ですが、お隣韓国/』「増えたんだよな…8」と落ち着いて石野が正解。さらに日本酒の銘柄から「新潟県」を正解し、通過席へ。阻止しようとさらに焦り、マイナスに沈む喜多。峯もつられてか、-1となる。ただ、1問でも正解が出たら、石野は引き摺り下ろされる。次の問題は「18番」。

『優秀な人物がいないところで、つまらない人物が/』「こうもり!!」

なかなか争いに参加出来なかった石野が、荒れ始めていた戦場から脱兎の如く勝ち抜けを決めた。そしてその瞬間、特快の全滅が確定した。峯は自分のペースでクイズをやった結果に過ぎない。だが喜多は明らかにおかしくなっていた。古川に通過を阻止されてから、4○5×で-1点。自分を失ってしまった者に微笑むほど、勝利の女神は甘くない。だが2人の表情に、後悔は見られない。「長い夢を見ているようだった」「楽しかったです」こうして、特快にとって最後のabcは終わった。

1st
16th
3rd
2nd
横浜国立4年
早稲田1年
早稲田4年
古川 洋平
喜多 一興
石野 将樹
峯 智
4○1×
通過席1回
6○5×
通過席1回
4○1×
通過席1回
3○2×
通過席1回
WIN
WIN

(続)