logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

abc〜かく戦えり〜Pt.8

【3R・Number 10 / 10 by 10】

◇第2ラウンド通過の20名が、ルールが全く異なる4コースから一つを選択する。
◇まず、抽選でコースを決定し、30秒間のエントリータイムを設ける。
 エントリータイム終了時点で、ネームプレートを上げている者が、
 そのコースに挑戦する意志表示をしたとみなす。
◇ボードを上げていた人が、
 ○5人以上…ボードを上げていた人のうち、優先順位が上の5人が出場。
 ○4人以下…ボードを上げていた人は出場確定。
       加えて、優先順位が下の人からそのコースに出場。
◇コース選択の優先権は【2Rでの勝ち抜け順→1Rの順位】により決定する。
◇各コース2名ずつ、計8名が準々決勝に進出できる。
 各コースとも出題時間は15分間に限定。
参加候補者(選択優先順位順)残り20人
(1抜)[2]峯  智>[16]喜多一興>[23]小堀裕也 >[25]渋沢 潮 
(2抜)[3]石野将樹>[13]阪本諭史>[22]高村光貴 >[32]丸山泰弘
(3抜)[1]古川洋平>[ 4]米谷聡史>[ 6]森田隆太郎>[11]宮川 敬 
(4抜)[5]宮坂 聡>[ 8]夘野道拓>[19]土屋敬蔵 >[26]村永翔世
(5抜)[9]酒井英太>[27]斉藤修啓>[30]山本貴司 >[48]金子祐希

最初に引かれたくじは…「10 by 10」。去年もこれが最初だった。去年この形式で惜敗した渋沢が、「リベンジだぞ〜」と威嚇する。そして30秒間のエントリータイム開始。渋沢はもちろんエントリー。そして、去年同じくこの形式で、ほぼ自滅するような形で敗退した石野、勝ち上がった酒井もネームプレートを上げる。古川が「どうしようかな…どっちでもいいんだけどな…」とつぶやきながら上げ下げを繰り返す。そして終了間際、「石野君…いってらっしゃい」と渋沢が残り1秒でエントリーキャンセル。かと思いきや、石野もその直後に下げる。結局残ったのはちょうど5人。特快から喜多一興と小堀裕也、無名塾から村永翔世と酒井英太、そして大阪市立大の山本貴司が入った。特快vs無名塾のインカレ代理戦争に、関東ではまだ無名だが予選で落ち着いた戦いぶりを見せた山本がどうからむか、と言う構図になった。

◇正解Pt.=0、誤答Pt.=10の状態でスタート。
 正解は正解Pt.に+1、誤答は誤答Pt.から-1。
 正解Pt.×誤答Pt.=100で勝ちぬけ。
◇15分経過後勝ち抜け者が2名に達しない場合は、
 「総合ポイント→早押しサドンデス」で順位を決定。

この形式では誤答は得点を下げるだけでなく、一つの正解の価値を下げる訳で、致命的である。去年は15問もの正解を叩き出した石野が、9回の誤答で一気に沈むと言う悲惨な展開も見られた。それを踏まえて今年はどうなるか…と言ったところだが、開始数分で全員が誤答を重ねる。多少の誤答はどうにか取り返せるか、と言った考えかどうかは定かでは無いが、早い段階での誤答はどうしたって自分の首を絞めるだけだ。それでも喜多が正解を重ね、途中からなぜか声を作って答えるようになってきた。余裕だなぁあいつ。…楽しんでやがるなぁあの野郎。自分が勝ち上がっていたとしたら、第一希望は[10 by 10]だった。だけど、ペーパー40位の早押し5抜けじゃ、コース選択の優先権は必然的に最下位になる訳で、あの場にはいられなかっただろうなぁ。見てた時はひたすら、特快がんばれ、って応援してたけど。
しかしそんな喜多も、ポイントの上では優位に立っておきながら、突然つまらない誤答をしてポイントを下げてしまうこともしばしば。正解数では圧倒的に上回ってるんだから、動かなければ安泰なのに…と思いつつも、全体が荒れ場のため概ねリードしたまま試合を運ぶ。点差的にもひっくり返せない展開では無いのだが、小堀・村永・酒井の2位争いがあまりにも熾烈でありそれどころでは無い。ラスト約3分程度で、喜多が60点でリードを保つ中、中位集団が全員7x6ないし6x7の49点で並ぶと言うとてつもなく緊迫した展開。しかしそこから村永、酒井と順番に誤答。さぁ小堀上がってこい、と思うと小堀まで誤答、またも団子レース状態。しかしここで小堀の手がぴたっと止まる。村永と酒井が押し合い、酒井が終盤に畳み掛けるように正解を重ね、ようやく一歩前に出る。結局このまま終了し、終始リードを保ち続けた喜多がトップ。だが特快ワンツーフィニッシュは叶わず、同じ無名塾世代の村永を抑える形で、5人の中でただ1人、2年連続で10 by 10に参加している酒井が、2年連続で勝ち抜けを決めた。100点到達での勝ち抜けは望めなかったものの、最後までどうなるかわからない展開で、2位争いにおおいに見ごたえがあった。山本も誤答さえしなければ、この争いについてこれたのだが、アグレッシブさには目を見張るものがあった。個人的には注目していたのだが、惜しいところである。

16th
23rd
26th
9th
30th
横浜国立4年
早稲田4年
早稲田1年
東北1年
大阪市立3年
喜多 一興
小堀 裕也
村永 翔世
酒井 英太
山本 貴司
12 x 5 = 60pts.
(12○5×)
6 x 6 = 36pts.
(6○4×)
7 x 5 = 35pts.
(7○5×)
10 x 5 = 50pts.
(10○5×)
5 x 3 = 15pts.
(5○7×)
WIN
WIN

【3R・Number 10 / 10○10×】

参加候補者(選択優先順位順)残り15人
(1抜)[ 2]峯  智>[25]渋沢 潮 
(2抜)[ 3]石野将樹>[13]阪本諭史>[22]高村光貴 >[32]丸山泰弘
(3抜)[ 1]古川洋平>[ 4]米谷聡史>[ 6]森田隆太郎>[11]宮川 敬 
(4抜)[ 5]宮坂 聡>[ 8]夘野道拓>[19]土屋敬蔵
(5抜)[27]斉藤修啓>[48]金子祐希

続いて引かれたくじは「10○10×」。去年と一緒になるように仕込んでないか?と一瞬でも邪推してしまうのは野暮ってもんか。エントリータイム開始と同時に、何人も一斉にネームプレートを上げる。明らかにこの形式を狙ってきている峯や、今度こそ迷わず上げている古川、そして古川と共に前回このコースで勝っている森田など。逆に、敬遠する人間は徹底的に敬遠の姿勢。そうこうしているうちに30秒が経過…しようとした瞬間、なんと森田が札を下げた。まさかアップダウンにでも行くつもりなのだろうか?そして今回も残ったのはちょうど5人。ペーパー1位・2位の古川・峯に、ペーパー48位の最下位通過にして、2Rで俺に引導を渡した金子。そして昨夜うちでの対策に参加していた宮坂・宮川の2人である。

◇10問正解で勝ち抜け。10問誤答で失格。
◇15分経過後勝ち抜け者が2名に達しない場合は、
 「正誤数→早押しサドンデス」で順位を決定。

本心としては、何としても古川を止めて欲しい、と考えていた。2Rからあまり調子の出ていない今の古川に対してなら、この面子ならそれが出来ないことも無いのではないか…と。しかしそこは優勝候補最右翼の古川洋平、なめてもらっては困る、と言ったところだろうか。「ドボルザーク!」の声で、圧倒的な1抜け。しかし、去年はこの形式でわずか1×で抜けていると言う事実もある。何かがおかしい…と言うより、本気を出していないだけか?
前の形式が若手2人と上級生1人による2位争いなら、今度はベテラン2人に若手が挑む2位争い。ここで、前半はマイペースにおとなしくクイズをしていた峯が、古川の勝ち抜けを待っていたかのように一気にチャージをかけ、3連答により一気に8○2×とする。さすがにあと8回誤答できるとなると、こう言った芸当もしやすくなる。10回誤答できるからと言って、自由に誤答をしていいと言う訳ではなく、「いかに誤答を有効に使うか」と言う面で、すでに5×程度つけていた他の3人に対して、峯は明らかに勝っていた。だが、そうやすやすと勝ち抜けさせてたまるかと、宮川・宮坂が交互に解答権を取り合う。正解数を確実に伸ばすものの、勝負をかけている分誤答も増える。最終局面では峯が9○4×に対し、宮川・宮坂の2人が8○9×と、峯も安心出来ないが、宮川・宮坂はもはや剣が峰に立たされている。そして…『カレーの黄色い色の/』

ターメリック!」

峯が力強く叫ぶ。勝ち抜けはほぼ確定的だった訳だから、それについてはただ「決まった、逆転されずによかった」としか思わなかった。ただ、常にマイペースな峯が、一瞬でもあれほど熱い姿を見せたことに、内心大きな驚きを感じていた。興奮はしていただろうが、それをあらわにすることが、この男に限っては極めて珍しいことだったのだ。特快の面子は、俺以外はみんなもっと飄々と大会に臨んでいる気がしていたが、みんな本気で来てやがる。しばらくの間、この峯のシャウトが頭を離れなかった。
ペーパー1位・2位のワンツーフィニッシュ、と言う結果だけを見れば、順当だと言う意見もあるだろう。しかし、宮川・宮坂のチャージや、峯のパフォーマンスなど、約70問に渡るこの勝負の内容には、結果を超越した、極めて濃いものを感じた。特に、名前の由来のみからひねり出した宮川の「柴咲コウ」などの渋い知識や、峯の『旧ソ連における農業の形態/』「コルホーズ!」などの押しは驚嘆に値する。惜しむらくは金子が、去年に引き続きまたもこの形式で不甲斐ない結果に終わってしまったこと。来年こそは、3Rまでの男、と言う汚名を払拭して欲しい。と言うか、あえて言わせてもらうなら、「俺のことぶっ倒しといて、来年もあんなんだったら承知しねぇぞ!」

2nd
1st
11th
5th
48th
早稲田4年
北海道2年
京都4年
早稲田高3年
峯 智
古川 洋平
宮川 敬
宮坂 聡
金子 祐希
10○4×
10○5×
8○9×
8○9×
2○7×
WIN
WIN

(続)