abc〜かく戦えり〜Pt.6
【最後の12人】
次の組で最後である。もはや自分はここに入っていることを諦めていた。だが、特快でまだ勝ちぬけていない喜多や大須賀がどうなっているのか、それが気になっていた。4位は…米谷だ。そしてなんと夘野が8位。どうなってるんだ本当に。次の3人のネームプレートがひっくり返ると、喜多が「あ〜16位か〜」と残念そうな声。そう言えばペーパーは1桁台を狙っていると公言していた。それからすればたしかに残念だが…とにかく今はそれどころではなかった。予選通過はあと6人。28位・32位・36位・40位・44位と、最後の1人を除いたネームプレートが一斉にひっくり返る。左からゆっくりと、名前を確認していく。
…ん?あ…俺だ。俺の名前だ。40位だ。
その時俺がどんなリアクションを取っていたのか、思い出すのが少し怖い。とにかく大声で叫んで、子供のように喜んでいたと思う。峯が2位とった時もかなり我を忘れて騒いでたけど、自分がいざ呼ばれた時は、沈みきっていた全身の感覚が、一気に呼び起こされたかのような感触だった。近くに座っていた大須賀や、後ろに座っていた毒路やあき坊、山下などに、思いっきりハイタッチをしていた。そして、企画書を持って行こうか一瞬だけ迷って、ルールがシンプルだから別に必要無いだろうと、何も手に持たずに走っていった。勝抜け席に座る特快勢にも握手をしていった。
あとのクイズのことはとりあえずいい。この瞬間を迎えるために、今までの1年間があったのだから。
【2R・連答つき5○2×早押しクイズ(第4組)】
予選を勝ちあがれたら、ここが一番の激戦になるだろうと踏んでいた。コース別やタイムレースは作戦次第でどうにかなるだろうと考えていたし、全体でとにかくここが最も押しが早くなる。指の遅い自分にはつらい戦いとなる。しかも周りは高校生ばかりで、はっきりいってやりにくい。知り合いの米谷、夘野、喜多、川田などは俺の席からは見えないところにいて、そこには高く、しかし決して破れない事は無い壁を感じた。知り合いがいないとこうも雰囲気が違うのか…と思ったら目の前のホワイトボード係が今村さんだった。とにかく念願の舞台である。予選通過は果たした訳だから、無理に勝ち抜けを目指すことよりも、とにかく悔いの無いように戦いたい…「a, b, c, dive!」この声も、解答席で聞くと全く感触が違う。もはや自分は観客では無い、解答席で戦う12人のうちの1人なんだと、改めて認識させられた。ジャケットの袖をたくし上げたところで、第1問が読まれる。
(以下、白文字の部分が読まれた問題文、「/」がボタンが押されて解答権が取られた箇所、途中で切れて改行されている黒文字の部分が押されたため読まれなかった残りの問題文)
医学の実験で使われる小動物「テンジクネズミ」/ …のことを、一般には何というでしょう?
「モルモット!」一斉に手が動くのを感じた。確証が持てなかったので押し負けてよかった。ボタンが点いてたらハムスターとか言ってたかもしれない。慎重派の自分にとって、初手からの誤答は絶対に避けたい状況だ。
年号の覚え方で、「なくようぐいす」と言えば「平安京」ですが、/ …「なんときれいな」と言えばなんでしょう?
「…平城京」答えたのは一番左端の高校生・金子君。平安京とのパラレルで平城京じゃいくらなんでも短絡的か、と思って手を出さなかったらそれが正解だった。こう言う躊躇のなさは高校生ならではだと思う。
歌舞伎の舞台での「花道」に当たるものを、/ …能の舞台で何というでしょう?
「橋掛かり。」どう考えてもベタなフリなのでためらわずに押したらボタンが点いた。一瞬整理してから確信を持って答える。客席から驚嘆の声が上がった、と後から聞いたけど、全く覚えていない。それだけ集中していたと言うことだと思う。聞いたところで、ベタ問を特に早くない確定ポイントで押して何故驚かれるのか、と知り合いに聞いてみたら、「押した人が押した人だからじゃない?」ネームプレートにはアメリカの大学名が書かれてたし、ペーパー順位も下位だったから、知らない人には意外に思われたのかな。
東京湾を囲んでいるふたつの半島/ …といえば、房総半島と何半島でしょう?
「三浦半島!」押し負けてから、去年のペーパーで連続正解が途切れた問題じゃないかと気づき悔しく思う。しかし、勝ち抜けることをあまり考えていなかったのが、一度起立したと言うことで少し意識が変わる。
NTTの電報サービスは何番/ …でしょう?
「115!」確信に満ちたゆっくりとした発声が向こうの方から聞こえた。喜多だ。自分はいつまで経ってもこの手の問題は他のものと混同してしまうのではなから手を出す気はなかったけれど、わからなくてもこう言う問題をカンで答えに行くくらいしなければつらいかもしれない、とは思った。頭でははなっからそんな事わかってるし、周りの人間にもずっとそう言うことを言っていたはずなのに。
お酒の席に遅れてきた人に対して、何杯かのお酒を/ …すぐに飲ませることを、「かけつけ何」というでしょう?
「かけつけ三杯。」お酒の問題だったから少し気合を入れて聞いていたのだが、問題の趣旨に気づくのが一瞬遅かった。得意ジャンルを落として少し痛い。
記録を見る限りでは喜多は連答で勝ちぬけているので、ここで勝ち抜けているはず。これで1抜けは全員、中央特快で埋められた。司会が「今回特快勢が大躍進ですが、特快はもう1人いらっしゃいますね…松本さんあたりにも頑張って欲しいところですが」余計なプレッシャーをかけないでくれ。と言うか特快は俺以外にも川田君がいるじゃないか。この時は他の面子が誰だかちゃんと把握してなかったので気づかなかったけど。
レーダーはある動物の生態を/ …研究した結果生まれたものですが、その動物とは何でしょう?
「こうもり!」全く知らなかった。これは仕方ない。
日本ではVゴール方式と呼んで/ …いる、サッカーで延長に入ったとき先に得点したチームが
勝ちになる方式のことを何というでしょう?
「ゴールデンゴール!」確定となる言葉が来た瞬間に一斉に全員が反応する、典型的なヨーイドン問題。その確定ポイントが早ければ早いほど、スピード勝負に弱い自分は弱くなる。案の定押し負けた。
サラリーマンの賃金上昇のうち、物価の変動に合わせて/ …全従業員の給与水準を一斉にかさ上げすることを
「定期昇給」に対して何というでしょう?
「ベースアップ!」答えを聞いてはっとした。「春闘の際によく聞かれる「ベア」とは〜」と言う問題ではよく聞く言葉だが、ちゃんと意味を伝えて聞いて来られたのははじめてだった。どのみち自分はこれでは答えられない。
英語での題名を「シンフォニー・ファンタスティック」/ …という、フランスの作曲家・ベルリオーズの代表作は何でしょう?
「幻想交響曲!」英語で、と来たから聞いてから押して訳せば答えられると思っていたら、単語がちょっと長い。言い切ったところで押すつもりだったが先手を取られた。しかも正解したのはよりによってさっきの問題で起立した名古屋大学の丸山さん。阻止できなかったことが少し痛手となるが、気を取り直す。
勝ち抜け枠はあと3つ。しかしそんなことはほとんど頭に入っていなかった。何というか、自分以外の人間が答えていくのが他人事にしか思えず、ただただ自分のボタンが点くかどうか、それだけを意識してあの場にいた気がする。12人が並んで座っていて、自分の両隣2人くらいの状況しかわからず、得点表示も遠くの方にあってよく見えなかったのにも起因するかもしれないけど。普段だったら全体の状況に絶えず意識を配りつつ、作戦を組み直しながらクイズをするのに、この時は逆にそれが出来なかったことで、一つ一つの問題に集中できて、功を奏したのかもしれない。
代表作に『裸のマハ』/ …『着衣のマハ』などがあるスペインの画家は誰でしょう?
「…ゴヤ。」何故か知らないけれど、数日前からこの「『裸のマハ』→ゴヤ」と言う問題が頭を離れなかった。何か予感があったのかもしれない、と言ってしまうとあまりにも話が出来すぎだ。運にも恵まれた正解だった気がする。会場の様子は何もわからなかったが、正解するごとに、すでに勝ちぬけている特快のメンバーの大きな声援だけははっきりと伝わってきた。
一般的に緑黄色野菜とは、/ …どんな栄養成分が一定以上含まれている野菜のことをいうでしょう?
「ベータカロチン。」ほぼ毎日飲んでいる「野菜生活」のボトルが頭に浮かび、そう言うことなのかな、とは思いつつも、確信が持てず少し待ってしまった。普段から無理に勝負をかけるような事はしないけれど、ここではそう言うことも必要だったのかもしれない。
ことわざで、かつて誇っていた腕前が今でも衰えていない/ …ことをたとえて、「昔取った何」というでしょう?
「昔取った杵柄!」高校生(たぶん金子君)が答える。押された直後に正解に気づいてしまうあたり、やっぱりいつもの自分だな、と思ってしまう。
ギリシャ神話のポセイドンにあたる/ …、ローマ神話の海の神は何でしょう?
「ネプチューン!」これも高校生、すぐ隣にいた花田君が答える。自分の周りで起立する人が入れ替わることに少しだけ焦りを感じる。電報の問題と同じように、これもどれがどれだかわからない。こう言ったものは自然に知っていたり、興味を持っていたりしない限り、リストアップして丸覚えでもしないと、いつまで経っても整理できないし、実際にかつてクイズ王番組などで活躍していた人達はそう言う作業をしていたらしい。歴代将軍とか、88星座とか、元素の周期表とか、そう言うものを丸覚えしてくるつもりではあったんだけど、結局は印刷だけしておいて実行には至らなかった。そもそも自分は記憶力が弱いので、それをやると余計混同してしまいそうだし。
大相撲で、行事が手に持っているのは軍配ですが、/ …呼び出しが手にもっているものは何でしょう?
「扇子。」聞き覚えのある声…と思ったら夘野だった。いかにも答えそうな奴が答えやがった。逆に、このセットを観客として見ていてこの問題が来たら、「夘野が答えなくてどうするんだ」と思っていただろう。
清少納言の「枕草子」にも書かれ、谷村新司の歌の題名にも/ …なっている、「プレアデス星団」の別名といえば何でしょう?
「…昴。」全く確証は無かったけれど、「谷村新司の歌」と聞いて、枕草子に出てきそう、かつクイズの答えとして成立しそうな単語があるはずだ、と思ってとりあえず押してみる。1秒ほど考えてから浮かんできた言葉が「昴」だったので、答えてみたら当たった。こうして文章にして当時の思考を振り返ってみると、わりと老獪な真似をしていたんだな、と思う。
最初に正解した時点からずっと思っていたけれど、自分の答え方がいつもと全く違っていて、内心驚いていた。普段はわりと早口で、勢いまかせで少し大きめの声で答えているのに、この時は押してから少し時間をおいて、一つ一つの言葉をゆっくりと、確認するように答えていた。普段は九割方の確証を持って答えているところを、五割くらいのところで勝負に出ていて、実際に「これでいいんだよな」と確認しながら答えていた、と言うのもあったけど、クイズの舞台に立っていると言うのに、驚くほど冷静だった自分が信じられなかった。直前に誤2の予選で勝ちあがって緊張が解けたのも原因の一つだったかもしれないけれど。逆に、普段くらい緊張していたら、あまり手が動かなかったかもしれない。
劇場「春」のこけら落とし以後、5年を超える/ …ロングランを続けている、ディズニーの作品を元とした
劇団四季のミュージカルは何でしょう?
問題文を聞きながら、微妙な違和感を覚える。「劇場「春」」と聞いてある単語が浮かんだけれど、どうもそれを答えさせる問題文では無さそうだ。しかし問題文はまだ続く。スピード問題では無く、知識と類推で答える、自分が普段触れていて、かつこの大会では他に差をつけられるタイプの問題。ここで正解できれば勝ち抜けな訳だし、頭に何か浮かんでいる以上、勝負に出てみてもいいかもしれない…ボタンを点けた。誰も押す様子が無かったので、「点いた」ではなく「点けた」感じ。正誤判定の3カウントをにらみながら、何か別の答えがあるか考えてみるが、他に何も浮かばない。残り1秒のカウントを見て、正解であってくれ、と思いつつ答える。
「…劇団四季!」誤答のブザー。やっぱりダメだったか。問題文の残りを聞いて全てを理解する。もう一度誤答すると失格。これでもう無理な勝負はかけられなくなった。しかしする事は変わらない。ただただ正解を重ねるのみ。
池田輝政によって1609年に築かれた/ …、その美しさから「白鷺城」と称される国宝のお城は何でしょう?
「姫路城!」たしか正解が出ていたはず。苦手な日本史なので全く手を出さなかった。しかし振り返ってみると、「白鷺城→姫路城」は対策問題に入っていたし、初めて築いた人もネットで調べていたはず。だがその情報はこの問題文と合致しなかった。自分は1346年に赤松貞範によって築城、と調べ、対策問題にもそう出していた。池田輝政はその後、現在の姿である大天守を完成させた、と言うのが有力な説とされている。しかし実際には築城主にも完成者にもこれ以外に説があり、その全てを把握していないとこの問題には対応出来なかった、と言うことである。(クイズではこのフリが通説なのかもしれないけど)日本史の穴はある程度埋めてきたはずだったのに、ちゃんと詳細に調べておけばここでも勝負をかけられたのだと思うと、自分がバカに思える。
船員労働委員会、海難審判庁、海上保安庁、気象庁/ …という4つの外局がある中央官庁はどこでしょう?
覚えてないけどたしか正解(正解は「国土交通省」)。日本の社会は苦手だ。どうも苦手な日本問題が続く。
ヨーロッパの国で、スペインやポルトガルがあるのはイベリア/ …半島ですが、ギリシャやマケドニアがあるのは何半島でしょう?
隣の高校生(花田君か金子君のどっちか)が押したが、どうもイベリア半島を答えさせる問題だと思ったようで、先走ってしまったらしい。何か別の半島を思い出そうとするもタイムアップで誤答(正解は「バルカン半島」)。自分は押さなかったが、「ノルウェーとかスウェーデンとかあるのどこだっけ…」と考えていた(正解は「スカンジナビア半島」)。どのみち見当違い。
「アカチャカ、ベッチャカ、チャカチャカチャ」と囃し言葉がはいる、熊本県/ …の民謡は何でしょう?
「おてもやん!」やっぱりそうか!とある別の大会で「アッチャカ、ベッチャカ」と出題されていたので、それであっているのかなとずっと迷ってしまった。誤答を一つ背負っていなかったら確実に押していた。結局、「熊本県」と言う確定のキーワードが来るまで待とうと思っていたら、そこで押し負けた。この押し負けは本当に悔しい。
「3ポイント持っているのが川田さんと松本さんと、特快の2人が一歩前に出ているところ。しかし松本さんが誤答を抱えている状況です」と言うMCがどこかで入っていたので、順序がよくわからないが、この間に夘野・米谷の2人が勝ち抜けて、残る枠は1つだったはず。特に夘野が勝ち抜けた時は「やりやがったな」と思ってしまった。自分は3人勝ち抜けが出た時点で、そろそろ勝ち抜けを意識し始めたような気がする。本来ここで勝ちぬけられるとは思っていなかったのだが、それなりに正解が出ていたため、ともすれば行けるのでは、と思うようになってきていた。だからと言って過度にアグレッシブになる事もなく、わかる問題が来たら答えよう、わかる問題が来ることを祈るしかない、わからない問題をカン押ししても自滅するだけだ、と言う気持ちは全く変わらなかった。誤答を抱えていたので攻めようが無かった、と言うのもあったが。
ボクシングで、手を保護するために/ …グローブをはめる前に巻く包帯のようなものを何というでしょう?
「グローブ。」これは誤答。そこで押されてしまってはそう答えるしかないが、さすがにそれでは問題にはならない。押した方もうっかりと言った感じだったろうし、誤答のブザーが鳴って初めて問題の趣旨に気づく、と言ったところだろう。事実、自分がそうだった。(正解は「バンデージ(バンテージ)」)
インタビューなどで記事にして欲しくない/ …発言を指す「オフレコ」を略さずにいうとどうなるでしょう?
「オフレコーディング」誤答したのはたぶん同じ特快の川田だったと思う。これも得意の問題だった。やはり勝負に出られなくなっている。(正解は「オフ・ザ・レコード」)
百人一首の第97番目の/ …歌の作者であり、また百人一首の選者としても知られる平安時代末期の歌人は誰?
順番で言われたら最初か最後くらいでないとわからない(それぞれ天智天皇と順徳院)。誰だったか覚えてないが、おそらく押した本人も、何番目か聞いてから見当をつけようとしたんだろうが、97番目では反応できなかったのだろう。正解は「藤原定家(ふじわらのていか・ふじわらのさだいえ)」だが、これもかつて自作問題で作っていた。詠んだ句を調べていたが、順番までは調べていなかった。対策はところどころで生きているのだが、どうも抜けている部分がある。
漁獲するときに雷がよく鳴ることから/ …「魚へんに雷」と書く、秋田名物として知られる魚は何でしょう?
「ハタハタ!」全くわからなかった。誰が押したかもわからない。しかし姿勢は全く変わっていない。
懸垂式と跨座式/ …という種類がある、軌道が1本の鉄道のことを何というでしょう?
「モノレール。」聞いたことのある前フリだったが思い出せず。ただただ待つばかり。
今年5月、EUに10カ国が新たに加盟しますが、これによって合計何カ国体制となるで/ …しょう?
「10カ国じゃ全部羅列はしないよな、そうするとどんな問題なんだろう」と考えながら問題の残りを聞く。ほとんど読みきっていたので考える時間もあった。たしか15カ国と聞いたことがあって、うろ覚えのくせに妙に自信があった。ボタンを点けて、一抹の不安を残しつつも答えてみる。「…25。」正解のチャイムが鳴る。これで4つ目の正解、次はもう連答では無くても勝ち抜けになる。優位に立ってかなり気持ちに余裕が出来るが、勝ち抜け枠があと1つしか無いし、誤答も抱えているため、全くもって予断を許せる状況では無い。とにかく気合を入れて起立する。
小林旭、ドリフターズ、氷川きよし/ …に共通する歌のタイトルは何でしょう?
気づくのが遅かったけど、自分が押すと同時にボタンの音がした…が、自分のランプが点いてない。反対側の誰かが答えるまで、状況が把握できなかった。本当にタッチの差だったと思う。(正解は「ズンドコ節」)得意の芸能問題、自分のために来たような問題だったのに、この押し負けは信じられなかった。しかしまだチャンスはある。ここまで来れば運を天に任せて、自分が押せる問題を待つだけだ。
1968年に設立された「アラブ石油輸出国機構」/ …のことを、アルファベット5文字で何というでしょう?
「OAPEC!」わからなかった。正解されたけど、ポイントではまだまだ優位だ。連答のことはともかく、ポイント的にはとにかく川田にさえ押されなければ大丈夫だ。
大正3年に竣工した東京駅の、いわゆる赤レンガの/ …駅舎を設計した工学博士といえば誰でしょう?
「…アムステルダム中央駅」ひさびさにこっち側がついたが、金子君が誤答。東京駅と言うキーワードに反応して自分も押しには行ったが、同じくアムステルダム中央駅以外の答えは思い浮かばなかった上、明らかにそれを答えさせる問題ではなかったとわかっていたため、点いていなくてよかった、と胸をなでおろした。(正解は「辰野金吾」。アムステルダム中央駅は東京駅の駅舎デザインのモデルとなった駅)
「波の花」と/ …いえば塩のことですが、「卯の花」といえばどんな食べ物のことでしょう?
「おから!」一斉にボタンが押される。やはりヨーイドンだった。しかもたしか前日に自分は同じ問題を答えていると言うのに、一瞬躊躇してしまった。その一瞬の遅れが無かったとしても、どのみちボタンが点くスピードでは無かった訳だが。
骨の成分であるタンパク質やリン、カルシウムが/ …不足して、骨がもろく折れやすくなる病気を何というでしょう?
押されたものの、このポイントでは見当がつかない。結局は誤答。「不足」と言う一言を聞けばどうにかひねり出せる問題だっただけに惜しかったところ。もっともこっちとしては救われたが。(正解は「骨粗しょう症」)
誤答が先行し、正解も分散している。勝ち抜け枠が少なくなって、戦局が荒れているのか。もっともそんなことはこっちには関係のない話だが。つくづく他人の正解を他人事にしか思えていない。自分が4ポイントで優位に立っているのもあったかもしれないが。
世の中のことを皮肉たっぷりに「間違/ …いない!」と言い切る漫談が人気のお笑い芸人と言えば誰でしょう?
「長井秀和!」押されて1秒後に思わず「あーそうか!」と叫び、うなだれてしまう。前フリからは予測しようの無い問題文だったので待ってしまったが、ちょうど長井口調で読まれた「間違いない!」の最初の3文字でわかってしまった。しかも正解したのが金子君。よりによって「クイズ界の長井秀和」と呼ばれている男が、と二重の意味で危機感を感じる。
日本の千葉ロッテマリーンズのマリーンは「海」という意味ですが、大リーグの/ …フロリダ・マーリンズのマーリンはどんな魚を意味しているでしょう?
って言うか大リーグにマリーンズがあったとしてもそれは海という意味じゃないのか?それ以前に大リーグにマリーンズってあったっけ?などと、苦手なスポーツだったこともあって、問題の趣旨を全く理解できない状態で、よりによって金子君に押されてしまう。しかも自信あり気。ここで万事休すか、と祈るようにして金子君の方を向く。「…マグロ!」正解のチャイムと共に、すべてが終わった。
4th |
8th |
12th |
16th |
20th |
24th |
28th |
32nd |
36th |
40th |
44th |
48th |
東北3 |
千葉3 |
慶応2 |
横国4 |
名古屋4 |
早稲田3 |
明治4 |
名古屋4 |
仙台一高2 |
Hampshire OB |
慶応高3 |
早稲高3 |
米谷 聡史 |
夘野 道拓 |
小川 聡志 |
喜多 一興 |
原 拓司 |
新井 大祐 |
川田 実 |
丸山 泰弘 |
小松 久人 |
松本 鎮成 |
花田 裕介 |
金子 祐希 |
5-0・3抜 |
4-0・4抜 |
3-1 |
3-1・1抜 |
3-1 |
2-1 |
3-1 |
2-0・2抜 |
2-0 |
4-1 |
2-1 |
4-1・5抜 |
(続)