logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

abc〜かく戦えり〜・Pt.6

【最後の12人】

次の組で最後である。もはや自分はここに入っていることを諦めていた。だが、特快でまだ勝ちぬけていない喜多や大須賀がどうなっているのか、それが気になっていた。4位は…米谷だ。そしてなんと夘野が8位。どうなってるんだ本当に。次の3人のネームプレートがひっくり返ると、喜多が「あ〜16位か〜」と残念そうな声。そう言えばペーパーは1桁台を狙っていると公言していた。それからすればたしかに残念だが…とにかく今はそれどころではなかった。予選通過はあと6人。28位・32位・36位・40位・44位と、最後の1人を除いたネームプレートが一斉にひっくり返る。左からゆっくりと、名前を確認していく。…ない。どこにもない。そして最後の48位…。

なかった。

この一年間が水泡に返した瞬間だった。

なんとも言えない感情に包まれていたその時、会場の隅から声が上がった。

「どう言うことだ!俺の名前が無いなんて!」
「採点ミスじゃねぇのか!」
「そうだそうだ!全部やり直せ!」

怒号が鳴り響く会場に、司会の声が渡り響く。

「採点はスタッフが細心の注意をはらって行いました。採点ミスなど一切ございません」

瞬間、銃声が鳴る。その声の主の方を見ると、肩から血がたれていた。それをきっかけに、参加者が一斉に暴れだす。女性参加者や新入生達は急いで逃げ出そうとするが、俺は俺で、けが人の手当ても無視して、スタッフに一発喰らわせてやろうと、怒りに任せて走り出す。落ちたのは自分の力不足だ。しかしそれが全て仕組まれていたものだったとしたら…などと考える間も無く、とにかくあの時の俺は冷静さを欠いていた。そして会場は血の惨劇に。詳しいことは覚えていないが、暴力にまみれてだんだん意識が遠のいていく中、外の方でも大きな叫び声が聞こえた気がした…。

「陳!水!扁!陳!水!扁!」

(続)