logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

abc〜かく戦えり〜Pt.5

【1R・結果発表】

「今回の参加人数は…166人!」会場からどよめきがあがる。当たり前だ、去年より40人以上も増えてるのだ。予選通過の倍率も、単純計算で3.5倍。この時点でかなり自信をなくす。と言うより、あまり過度に期待しないようになってくる。期待して落ちてしまうと悲しいし、期待しないで勝抜ければ嬉しさはひとしお。大抵どんなことについてもそんな考え方で動いてる気がするけど、「誤2」の予選を切り抜けたこともあって、必要以上に気持ちが落ち着いてしまい、その分ボルテージまで下がってしまっていた。それまでの緊張感が、「どうなっちゃうんだろう…」と言う不安感に変わっていた。
そしていよいよ予選成績の発表である。まずは1位の発表から。あのネームプレートの裏に、全く違うダークホースの名がないかと期待をかけるものの、めくられたプレートに書かれていた名前はやはり「古川洋平」だった。今回の大会は開始前から、「いかにして古川を阻止するか」と言う趣が強かったように思われるが、ペーパーで2位に5点差をつける87点と言う成績に対して、何も言えなかった。前回に引き続き、問題番号は古川の意思により「1番」からスタート。前回の1問目は「ABCDラインの4カ国とは〜」と言った問題だった。今年もABCがらみの問題が来るのだろうか。

【2R・連答つき5○2×早押しクイズ(第1組)】

◇第1ラウンドの成績に基づき、
 12名ずつ4組に分かれての早押しクイズ。
◇1問正解1ポイント&連答権獲得。
 5ポイント先取もしくは2問連続正解で勝ちぬけ。
 誤答は2回で失格。
◇連答権は自身の誤答もしくは他人の正解で喪失、
 スルーもしくは他人の誤答では維持。
◇ペーパーは1〜4位に3pts、5〜12位に2pts、
 13〜24位に1ptのアドバンテージが与えられる。
◇各組5名ずつ、計20名が第3ラウンドに進出できる。

ここでは1・5・9…45位の12人が参加。5位に宮坂、25位に渋沢が入る。13位に九大の阪本君、17位に高1の伊部君が入って会場がどよめく。21位に1年生の田村、そして33位に須藤、37位に大関と水戸一OBのツートップが並ぶ。とにかく去年47位の渋沢が25位と言う事実に、自分は一体どうなってるんだろう、と焦る。そして、戦いの始まりが告げられる…「a, b, c, dive!」
1問目は「ABC兵器」に関するものだった。これを狙っていた古川は動かず、それどころかなんと誤答スタート。大本命が一体どうしてしまったのか。押しの攻勢が続く中、12問目「ギヤマン」で渋沢が立った。そして次の問題、『バイオリンの弦で、最も高い音が〜』前フリを聞いていて「来た」と思った。「渋沢、勝負かけろ」と思った次の瞬間、その渋沢のランプが点き、確信に満ちた声で「G線!」と解答。前回オーラスで勝抜けた渋沢が、なんと今大会ではトップ抜け。特快勢としてはこれ以上嬉しいことは無いが、はたから見ていれば波乱の展開だっただろう。
引き続き、九大の阪本が勝抜け。九州全体がクイズ界から断絶されている中、昨年のマンオブに続くこの勝抜けは衝撃的だった。そして予想外に苦しんだ古川がこれに続く。宮坂が落ち着いて3問正解を重ねて勝抜け、最後は昨年高校生にしてベスト4まで進出した酒井が「壱岐島」「刑事コロンボ」の連答で決めた。渋沢以外は上位4人が勝抜けて、順当と言ったところか。高1の伊部、1年の田村は共にクイズ歴1年足らずでとんでもない成績を叩き出したが、ここは早押しの経験不足だろうか。

1st
5th
9th
13th
17th
21st
25th
29th
33rd
37th
41st
45th
京大4
東北1
九大3
慶応高1
金沢3
都立大1
早稲田2
早稲高2
古川 洋平
宮坂 聡
酒井 英太
阪本 諭史
伊部 聡一郎
田村 良平
渋沢 潮
山本 岳人
須藤 洋平
大関 隼
永野 博士
澤田 大樹
5-1・3抜
5-0・4抜
4-0・5抜
4-0・2抜
3-1
3-1
3-0・1抜
1-1
2-2・失格
2-0
3-0
1-0

【2R・連答つき5○2×早押しクイズ(第2組)】

2位の発表に会場から一際大きなどよめきが上がった…と言うか、特快勢は一斉にひっくり返った。なんとネームプレートの裏に書かれていた名前は「峯智」。誰もが予想していなかった2位である。誰よりも、隣に座っていた本人が一番、あっけにとられた表情を見せている。俺は俺で驚愕しながらも、「お前だよ!ほら、行って来い!」と解答席に向かうよう促す。あまりの驚きに、続く6・10位の発表を見逃してしまった。発表された12人を見てみると、上位6人、つまり解答席の左半分が全員4年生。そのうち峯・森田・水島・高村の4人が中央特快。46位の金森を含めたら過半数が4年生になる。これが最高学年の意地と言うものか。こうなったら勝抜けは4年生だけで埋めたいものである。
1問目、「ドライクリーニング」を峯が正解。そして4問目、ほぼ差込にしか思えない(=明らかにその人の得意分野でありその人に用意されたようにしか思えない)「インディーズ」を正解し、あっと言う間に勝抜けを決める。これに続いたのは高村、森田。ここまで特快勢ばかりが勝ち上がっている上に、解答席に残る9人は全員2ポイント以下で、まだ勝負はわからない。こうなると連答を狙うために誤答先行の押しとなり、岡山大からやってきた14位の大堀が失格。個人的に活躍が見たかったので残念。ラッシュを切り抜けたのは高校時代から定評がある26位・村永、そしてアドバンテージなしから誤答なしでゆっくりと5ポイントを積み重ねた30位・大阪市立大の山本だった。去年の大会では、0ポイントスタートで5問正解勝ちぬけと言うのは一度も無く、下位組が勝抜けるには連答しかなかったのだ。そう言った意味で、この勝抜けは象徴的だった。何しろ自分は、もし自分があの場にいたら、戦局が荒れるのを見越して誤答をせずに5ポイントを取りに行くのが得策だと考えていたからだ。ここで10位・石川、14位・大堀、18位・水島と、上位組が一気に転んだ。
しかし、ここまで発表された24人の顔ぶれを見て、「あの中に入ってる自信ねぇよ…」とずっと思っていた。学年を問わず、勝抜けた人間はみなそれ相応のプレーを見せている。歴戦の強豪に混ざって、勝ちぬけてくるとは思っていなかった若手も上がってきており、去年のランキングから4年生を除けばどうにか入れるか、などと言う単純計算が出来る世界では無いことを痛感していたのだ。いや、そんなことは来る前から覚悟していた事だったのだが、改めてこの24人を見て、自分がここに名を連ねている自信がなくなってきていた。

2nd
6th
10th
14th
18th
22nd
26th
30th
34th
38th
42nd
46th
早稲田4
早稲田4
岡山4
明治4
千葉4
早稲田1
慶応2
東大2
筑波4
峯 智
森田 隆太郎
石川 祐貴
大堀 晃
水島 丈裕
高村 光貴
村永 翔世
山本 貴司
田中 彰
山田 武
古谷 和也
金森 雄大
5-0・1抜
5-1・3抜
3-0
1-2・失格
2-0
3-0・2抜
2-1・4抜
5-0・5抜
1-0
0-1
1-1
0-1

【2R・連答つき5○2×早押しクイズ(第3組)】

3位に入ってきたのは1年生・石野将樹だった。一瞬驚いたが、考えてみれば順当じゃないか、と思いなおす。続くのは3年生の西川、そして「打倒古川」を掲げる2年生・宮川。個人的に最も期待している男が11位で上がってきた。去年は次点の夫馬が大きく順位を上げる15位、開成で最も怖い男・土屋が19位、そして本当にブランクがあったのだろうかと思わせる23位・小堀に27位・斉藤の特快勢。難問派を自称しながらも31位に入ってくる木村もさすがだし、何より、中学3年生の高橋が35位で通過している。つまりこの会場にいる人間のうち130人余りが、中学生に負けているのだ。少しやるせなくなった。
しかし…自分の名前はまだ呼ばれない。もうこのあたりで半ば予選通過を諦めていた。さらに言えば、去年とは明らかに違う問題傾向が、どうも自分に合っているとは思えなかった。わかる問題の比率が去年より明らかに低い。勝抜けたところで、この問題群でまともに戦えるんだろうか。そう言った考えが去来し、あまり気持ちを盛り上げて観戦することも出来なくなってきていたのだった。
結果から先に言うと、1抜けの小堀を除く4人が5ポイントまで乗せてくる、安定した戦いが功を奏す戦いとなった。前の組の峯と言い、ここでも小堀が『横浜ベイスターズ筆頭株主』→「TBS」と言う問題を取り、差込くさい勝抜けをしていく。それはつまり、自分のテリトリーの問題を確実に取っていってると言う事なのだが。ここまで1抜けは特快勢で占拠された。石野、宮川などの若手が抜ける中、京大の木村、名大の木本の西の若手2人が誤答で失格。木村は3ポイントまで来ておきながら、残念な失格である。高校生では最も怖い土屋が抜けた後は、西川・夫馬・斉藤の3人が4ポイントで並ぶ。特快としてはぜひ斉藤に抜けてほしい…と願っていると、次の「長岡半太郎」を斉藤が取り、見事に特快勢が最初と最後を決めていった。

3rd
7th
11th
15th
19th
23rd
27th
31st
35th
39th
43rd
47th
早稲田1
明治3
北大2
早稲田2
開成高2
早稲田4
東大4
京大1
開成中3
慶応3
法政3
名古屋1
石野 将樹
西川 徹
宮川 敬
夫馬 孝幸
土屋 敬蔵
小堀 裕也
斉藤 修啓
木村 弘志
高橋 良輔
山近 晃広
土田 征太郎
木本 博幸
5-0・2抜
4-0
5-0・3抜
4-1
5-0・4抜
3-0・1抜
5-1・5抜
3-2・失格
2-1
1-1
2-0
1-2・失格