logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

abc〜かく戦えり〜 Pt.4

【1R・100問ペーパークイズ】

11時の時報と共に照明が落とされ、戦いの火蓋が静かに切って落とされる。ほどなくして照明が点き、ペーパークイズが配られる。ここで渋沢が到着し、一安心。買っておいたブラックコーヒーを飲み干し、ガムを噛む。峯に「時報の音でリズムを合わせると落ち着くよ」と言われるが、なかなかそうも行かない。11時04分の時報と共に、問題のファイルを全てしまう。開始60秒前にしてやっと覚悟が決まり、気持ちも落ち着いてくる。やるべき事はやった、あとはなるようになれ。
「スタート!」ペーパーをめくり、1問目から順番に解いていく。『今シーズンから北海道に本拠地を移すプロ野球チーム』と言う2問目でいきなり「近鉄バッファローズ」と書いてしまう凡ミスをかましてしまい、何やってんだ俺、と思いつつ書き直す。23問目の『「上を向いて歩こう」の作曲者』が思い出せなかったのを除けば、前半25問はすらすらと解けた。連続正解数はかなり稼いでいると思われるので、同点の場合は1問目からの連続正解数で決まると言うルールから、万が一当落線上に立った場合は有利になる。だがそんな事より、とにかく1点でも伸ばすことだ。
ひとつの問題にゆっくり時間をかけるには、20分と言う時間はあまりに短すぎるので、とりあえずわかる問題を埋めていって、すぐには思い出せそうに無い問題や、カンを働かせる必要がある問題は後回しにする。10分以内に100問目まで到達するのが目標だったが、実際には13分くらいかかっていたはず。少しペースが遅れてきたので、後半の問題でカンで答えなければならないものはその場の思いつきで埋めていった。また、普段は漢字で書けるところは漢字で、西洋人でもなるべくフルネームで書いているのだが、今回はそう言ったところで1問でもミスを犯してしまうのが怖かったので、ほぼ確実に漢字がわかっていても一部は意識的にひらがなで書いた。
20分が終了。前日に出したばかりの200問の対策問題のうち、「来年の歌会始の儀の題」に「点の大小でデータを示す地図」と2問もヒットした事や、前半の取りこぼしがほとんど無かった事もあり、手ごたえはあった。ただ、政治経済や日本の社会がことごとくわからず、朝練で出ていたはずの「死者の手足を折り曲げて埋葬する方法」を聞きこぼしていたり、さらに「『北斗の拳』のケンシロウの声優」が顔だけ出ていてどうしても浮かばず、安心は出来なかった。
個人的には去年の100問よりは解きやすく感じた。これは対策の成果なのか、問題との相性なのか。周りの人間に聞いてみると、軒並み「去年より難しい」との感想。とは言え、解きやすかったと言いつつも、自分は自分で7割取れている自信は無かった。総合的に見て、全体的な成績は下がっているはずなのだが、参加人数が去年より明らかに増えているので、ボーダーラインは結局、去年と似たようなところに落ち着くのではないだろうかと思われた。自己採点などは最初からするつもりも無かった。とにかく天命を待つだけである。

【誤2・予選】

中央特快チームの一員として誤2の予選に参加するため、召集される。あれだけずっと緊張していたのに、息つく暇も無いなぁと、エントリーしたことを少しばかり後悔する。モチベーションの低かったメンバーを、「最後なんだから」と説得してチームを組んだのは自分だと言うのに。それでもリーダーになるのは拒否して、「関東nobu氏軍団」と言う名前が使いたいがために大須賀を5番手に持ってきているのだから、いい気なものである。
初戦の相手は大阪大学。ここが最も厳しいだろうと思われた。『外国人が日本に気化するためには、何年以上日本に住んでいなくてはならないでしょう?』と言う、いかにも自分向けの問題に手を出さず、日和にもほどがある。だが、『都道府県知事選挙の場合は300万円と定められている/』で「供託金」を答え、なんとか責務は果たす。お互いの5番手だけが残り、ここが正念場と言うところで、『横隔膜の痙攣により/』で大須賀が押し、「しゃっくり」を正解。強敵を打ち破った。勝者インタビューでは大須賀が「いやーさっきから横隔膜が痙攣しまくってて」と笑いを取る。細かいところを持っていく奴だ。
そして勝ち上がってきた一橋大学との対戦。ここは本当は開成学園に勝ち上がってもらって、最年少軍団対最年長軍団と言う戦いが期待されていたのだろう。しかし、自分や大須賀はつい2週間前に一橋のオープン例会に参加したばかりであり、もはや勝手知ったる仲。見てる方もやってる方も新鮮味の無い戦いである。それだけに互いの手の内はわかっていると言うことなのだが。
経過としては特快が優勢。『季節はもう春ですが、これまでに高地競馬場で100連敗以上/』で押すが、点いたのは隣の喜多。「あーごめん取っちゃった」「いやいいよ気にしないで」「ハルウララ」と言う訳で一橋残り4人のところで、特快は残すところ自分だけ。有利は有利なのだが、最後の一人と言うプレッシャーは計り知れない。「三方一両損」と言う自分には答えられない問題を相手に取られ、次の問題で「平家物語の冒頭に」などとそれっぽい単語が来たので、とっとと決めてしまうために押す。3秒間をフルに使って、平家物語の冒頭で他に答えになるような単語が無いことを確認した上で、半信半疑で「祇園精舎」を答えると、これで中央特快の準決勝進出が決まった。
最後の一人になって、「祇園精舎」の正解音が鳴るまでは、本当に怖かった。しかしここでボタンを押せた事で、abcに対しての緊張感もだいぶ落ち着いた。誤2においてはとにかく予選が一番の難関だと考えていたので、予選さえ抜ければとりあえず面子は保てるし、あとは遊んじゃえ、と言った感じだった。他のチームに対しては失礼極まりない考え方なのだが、おそらく特快チーム全員がそう考えていたように、自分にとっての戦いはあくまでもabcであったため、誤2のことはあまり頭に無かったのである。誤2予選でいろいろあったにも関わらず、ここでの記述がやけにあっさりしている事もそれを反映して事だ。

(続)