logic system continued.

http;//d.hatena.ne.jp/hello-m/ ではてなダイアリーで12年間書いてたブログ『logic system』から引っ越してきたので、その続き、という意味での『continued』。

abc〜かく戦えり〜・Pt.1

【2003年3月】
2003年3月30日。忘れもしない、「abc〜the first〜」の開催日。5月に発表する卒業制作の素材撮影のために一時帰国していた自分は、撮影を終えてまだ大学に戻るまでに時間があったので、力試しとばかりに出てみることにした。対策している余裕も無かったので、とりあえず今の力で、基本がどれくらい出来るのか、と言うのを推し量るために、その会場にいたのである。
結果は、予選落ち。ボーダーから4点足りなかった。いろいろな要因があったにせよ、この予選落ちは自分にとって計り知れないダメージがあった。特快の面子が全員予選を通過している中、自分だけが取り残された気がした。ずっと一緒にやってきたはずだったのに、結局俺だけ知らないうちに歩みを止めていたのか…?
この時から、1年間に渡る、リベンジへ向けての日々が始まった。

【2003年8月】
あれからおよそ5ヶ月。日本史やスポーツなど、自分の苦手ジャンルを中心に、短文問題を作り続けた。卒業制作の息抜き代わりに、ものの10日で400問ほどの問題が出来てしまった。卒業制作を仕上げ、上映会も行い、大学を卒業して帰国して、8月10日の中央特快での単独企画までに出来た問題はちょうど700問。すべては、abc予選落ちの悔しさにかられて出来たものだった。

【2003年10月】
問題を作りきってしまって、少し気が緩むも、今からやれば半年計画で対策が出来ると、この頃からそろそろ次のabcを意識し始める。とにかく穴になっている昔ベタを押さえなければならないと思い、何年も積読状態になっていた市販本を手に取り、本にマークをし始める。

【2004年2月】
年が明けてからあまりクイズをしていなかったので、本格的な対策を始める。荷物には常にクイズ本が入っていた。年明けに買った小説などが全く読めないのが寂しいし、やってる事がコテコテのクイズオタクだ。しかし、abcが終わるまではもう開き直ってやる、オタクって呼ばれたって知るか、とすでに覚悟は決めていた。
記憶力に乏しい自分は、とにかくいろんな問題をペーパー形式で、解答用紙に記入して解いていく。読むだけでは頭に残らないし、書いたところで意識しないと覚えられない。覚えなければならない事が多すぎて、意識的にある事項だけを覚えたりするのではなく、とにかく数をこなして、自然と頭に入ってくるのを待つ。そのうち、「あーこれはこれこれの問題集のあの問題の次だったなぁ」などと言う形で入ってくるのだ。しかしそのせいで、どこかのペーパーでかぶっていたのか何なのか、フォークナーとラボアジエがごっちゃになったりする。この頃、特快の人間を集めては本番と同じ形式で対策をしたり、クイズの場には積極的に出るようにする。人から本も借りる。この時はじめて、赤本・黒本の実物を見た。

【2004年3月】
不安感が募ってくる。問題数をこなせばこなすほど、どんどん穴が出てくる。しかも、その穴を埋める時間も集中力もどんどんなくなってきている。大会4日前の水曜日、一気に1600問解いた。しかしそこでプレッシャーに押されて、集中力もなくなり、ペンも頭も重くなる。頭に問題がろくに入ってきやしない。「どれだけやればいいんだ、どれだけ解けば間に合うんだ、何問解けば予選通過出来るんだ」と、基準になるものが何も無いだけに不安感は増してくる。結局、木・金合わせて900問、3日間で都合2500問解いたことになる。全然足りない。
同時に、解いてきた問題の束や市販本から、覚え切れそうにない問題を抜き出して、なるべくフリを足して早押し用の問題として成文化する。そうやって昔ベタ対策をやり続けた結果、芸能や時事など、普段なら取れる問題をうっかり落としてしまわないように、得意ジャンルの問題も意識的に混ぜていく。とりあえず対策問題として200問揃える。本当は早押し用の対策として、スラッシュ入りのペーパーも作りたかったけど、もう余裕がなくなってくる。こんなにクイズをするのに気が重い状態で、本番大丈夫なんだろうかとさらに不安になる。

(続)